ITV監視
ITV監視とは
ITVとは「industrial television」の略称であり、監視カメラを意味します。ITV監視とは、リモートで無人の施設の不法侵入監視や自然災害時の保安監視ができるシステムです。
遠方からリアルタイムで設備の保安業務と不法侵入の監視が可能です。パソコン画面から照合端末が設置された場所の状態を確認できます。
ITV監視の目的は主に2つあります。1つは不審者にカメラを見せることによる犯罪の抑制、もう1つは事件・事故やアクシデントを録画して証拠にすることです。
カメラで録画されていると意識させるだけで、不審者は侵入をためらうため犯罪を未然に防止できます。よって、ITVの設置は防犯効果を高め、セキュリティ強化につながります。
ITV監視の種類
ITV監視の種類は、アナログ方式とネットワーク方式の2つです。
アナログ方式では、比較的画素数が低い監視カメラが用いられ、カメラから伝送された画像がアナログレコーダーに録画されます。また、警備員や管理人が常駐している施設では、リアルタイムの映像を監視モニターによって目視で確認できます。
ネットワーク方式では、フルHD画質など高画質のネットワークカメラが用いられるのが一般的です。画像情報はLANケーブルによって、ネットワークレコーダーに伝送されます。ネットワークレコーダーは、複数台のカメラを接続することで同時録画が可能です。高画質のデータの書き込みが行われるため、8~16TB以上の大容量ハードディスクが搭載できるようになっています。
ITV監視の導入例
ITV監視は、さまざまな場所や施設で活用されています。
駅
不特定多数の人が密集し犯罪の発生確率が高い鉄道の駅には、ITV監視が不可欠です。また、広大なスペースがあって人の流入が激しい駅構内を、人間の目で監視する事には限界があります。複数台の監視カメラをリモートで監視することで初めて、構内の安全が守れます。さらに、トラブルが発生した際は録画データが証拠となりうるでしょう。
遊技施設
遊技施設は現金の授受を行うので、ITV監視が欠かせません。死角がないようカメラ1台で360度監視できる全方位ネットワークカメラや、旋回型のカメラ・屋外カメラなどを設置する必要があります。
劇場
不特定多数に人々が集まる劇場も、ITV監視が有効です。セキュリティを高めるためには、エントランスホールや客席に加え、舞台上や舞台裏にもカメラの設置が必要です。また、防犯上の目的以外に、舞台本番の進行確認にも使用できます。
駐車場・駐輪場
駐車場・駐輪場に、ITV監視が設置されていると利用者が安心して利用できます。犯罪の抑止力になるだけでなく、車両へのイタズラや盗難があった際に証拠を残せるでしょう。
オフィス・店舗
オフィスや店舗にITV監視を導入すると、防犯とセキュリティ強化につながります。オフィスで導入する際は、入退室管理システムと連携することで、共連れ検出や侵入者の特定にも役立ちます。店舗で導入する際は、複数店舗の映像を一括表示して遠隔で監視できる点がメリットです。
河川・用水路
河川や用水路などに導入するケースも見受けられます。豪雨の際の氾濫などに備えた監視や、土石流などの発生状況の確認に役立つでしょう。安全監視とともに防犯機能を備えています。
補足
ITV監視と異なる方式として、CCTV( Closed-circuit Television)というシステムがあります。CCTVとは、カメラから出力モニターまでが一体となって接続された閉じた回路のテレビです。道路や河川等のインフラの状況を監視するために用いられるのが一般的です。
また、近年では、カメラで撮影した映像や音声をリモートで確認できるクラウド監視カメラの導入も増えてきました。カメラの撮影データを直接クラウド上に記録するため、ハードディスクが必要ありません。ハードディスクの管理やメンテナンスが不要で、設置や管理が手軽にできる点がメリットです。
ITV監視に関連する用語一覧
監視カメラ
画素数
防犯
セキュリティ
入退室管理システム
共連れ検出
ネットワークカメラ