顔認証
顔認証とは
顔認証とは、カメラのデジタル画像から人の顔を自動的に識別する認証方式です。目・鼻・口などの顔のパーツの相対的な位置や顔における大きさや比率などをもとに照合を行います。
なりすましが困難なためセキュリティ強度が高く、鍵の所持やパスワード設定が不要になります。第三者への流出や盗難・紛失の心配もありません。また、ICカードやスマートフォンをかざす必要がなく、カメラに顔を向けるだけで手ぶらで認証できるのが特徴です。端末に一切触れることなく認証可能なので、衛生的な点もメリットといえるでしょう。
顔認証にはエッジ方式とクラウド方式の2種類の運用方式があります。
エッジ方式は、顔認証システムが搭載された専用の端末(エッジデバイス)を設置して認証を行う方式です。クラウド処理やサイズの大きいファイルの送信による遅延がなく、リアルタイムに正確な認証が可能です。
クラウド方式は、カメラで撮影した画像をクラウドに直接送って認証を行う方式です。高額な専用端末が不要で、スマートフォンやタブレットなどのカメラが利用できるのが特徴です。
顔認証の導入例
指紋認証は、さまざまな場所やシーンで活用されています。
オフィスの入退室管理システム
オフィスの入退室管理システムにおいて、顔認証は有効です。物理カードを取り出す必要がなく、ハンズフリーで入館できる点がメリットです。事前に来客者の顔情報を登録すれば、受付を顔認証で行ってセキュリティゲートや会議室のセキュリティを解除できます。来客を受付で待たせることもなく、スムーズな案内が可能です。
学校
学校のセキュリティ対策としても顔認証は有効です。事前に登録した人物しか入れないような顔認証システムを校門や玄関に設定すれば、不審者の侵入を防げます。大学では、本人の代わりに別の人が授業に出席する代返の防止にも活用できます。講師が直接出欠確認を行う手間も省けるため、業務の効率化につながるでしょう。
小売店
小売店の決済システムにも、顔認証を導入するケースが増えています。決済カウンターのカメラで撮影した画像と、あらかじめ登録した顔写真を照合することで本人を検知して自動で決済する仕組みです。現金を持たずに買い物ができ、身軽にショッピングを楽しめます。
イベント会場
コンサート・スポーツイベント等のイベント会場でも顔認証が活用されています。入場受付で顔認証システムによる本人確認を実施し、チケット購入者と入場者が同一かを判定します。チケットの転売防止とスムーズな入退場の実現につながるでしょう。
補足
顔認証を導入する際は、マスクや眼鏡などを着用すると認証できなくなるケースがある点に注意が必要です。双子やよく似た人がロックを解除できる可能性もゼロではありません。
また、照明が少ない場所や逆光になる場所にカメラが設置されていると、うまく認証されないケースがあります。顔認証を導入する際は、適切な場所にカメラを設置しましょう。
カメラで撮影された平面画像で認証を行う2D方式の製品は、顔写真で認証できてしまう恐れがある点に注意が必要です。顔写真を使った不正を防止するには、赤外線センサーを用いて立体的な画像で認証する3D方式の製品がおすすめです。
顔認証に関連する用語一覧
セキュリティ
ICカード
セキュリティゲート
生体認証
指紋認証
静脈認証
虹彩認証
声紋認証
耳介認証
DNA認証
行動認証