耳介認証
耳介認証とは
耳介認証とは生体認証(バイオメトリクス認証)の一つで、耳の形(耳介)を元に認証する方法です。耳の形は加齢による変化が少ないため、比較的高い精度で認証ができます。また、指紋認証のように、傷や汚れで認証できないといった事態も少ないでしょう。
耳の形は一人ひとり特徴が異なります。そのため、一般的な本人確認などでは導入例が少ないものの、不特定多数の中から一人を特定する必要がある場面に適した方法です。
カメラで耳の形を撮影するだけでよいため、手軽な認証方法でもあります。直接認証機器に触れる必要がない非接触型でもあるため、感染症などの心配がある場面でも安心です。一方、髪型・照明などが精度に影響する点には注意が必要です。
耳介認証の導入事例
耳介認証は、主に犯罪捜査や医療現場で導入されているケースがありますが、数は多くありません。アメリカの犯罪捜査に使われたり企業や大学が研究を進めていたりなど、今後の発展に期待が高まります。
なお、耳介の長さは16〜17歳ごろ、耳介の幅は10歳前後で男女ともに成長が止まり、40歳前後で少しずつ成長します。そして、耳介は細かくさまざまな要素で構成されており、要素によっては著しい個人性があるため、家族間の識別にも有効です。そのため、さらに研究が進めば導入される場面も大いに増加するでしょう。
補足
耳の形で認証を行う耳介認証のほかに、耳の穴によって個人を認定する耳音響認証という方式も開発されています。耳の形同様、人の頭部の空間構造には個人差があり、イヤホン型のデバイスを使って検査音を送出し、反射した音から個人の特徴を測定できます。音を聴くだけでよいので、場所・タイミングを問わず認証可能で、マスク・手袋・眼鏡を着用していても利用可能です。また、人体内部の情報を用いるため、偽造やなりすましが困難な点もメリットでしょう。
今後想定されている利用シーンとしては、作業現場でのコミュニケーションやモバイル端末等への自動ログインが挙げられています。また、イヤホンを装着している間は継続的に認証できるため、話者の入れ替わりを検知し、情報漏えいを防止する効果も期待できます。
耳介認証に関する用語一覧
セキュリティ
生体認証
指紋認証
顔認証
静脈認証
虹彩認証
声紋認証
DNA認証
行動認証
マルチ認証