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アンチパスバック

アンチパスバックとは

アンチパスバックとは、入退室管理システムの機能の一つで、不審者を退室させないための機能です。共連れを防止するために活用されます。

例えば、アクセス権限をもった人物が認証を行って入室する際、本来入室権限のない第三者が続けて入室したとします。この場合、続けて入室した人物は認証を行っていないため、システム上に入室記録が残っていません。入室記録のない人物はアンチパスバック機能によって不審者とされ、退室を拒否されます。

不正入室が起こっても、アンチパスバック機能によって退室を阻止できれば、情報漏えいといった重大な事故を防止できる可能性があります。加えて、在室していた時間も特定できるため、従業員のモラルやセキュリティ性の向上に役立つ機能です。

アンチパスバックの導入事例

アンチパスバック機能を備えた入退室管理システムは、次のような場所で導入されています。

工場

工場内の事務所や研究棟に、従業員以外が立ち入らないよう入退室管理システムが導入されています。事務所や研究棟には顧客情報や機密情報があるため、不正入室は情報漏えいのリスクがあります。入退室管理システムで入室できる人物を制限するほか、アンチパスバック機能を併用すれば、セキュリティ性向上に効果的です。

さらに、監視カメラを併用し、不正な入退室が発生した場合は映像記録を確認できるようにしています。

研究所

機密情報を抱える研究所でも、情報漏えいを防ぐために入退室管理システムが導入されています。玄関には守衛を常駐させるなど、共連れに気を配ってはいても、朝夕の出退勤ラッシュ時など確認が困難なタイミングもありました。しかし、アンチパスバック機能をもつ入退室管理システムを導入すれば、人が多い時間帯でも共連れの確認が可能です。

不審者が検知されると警備センターに通報されるため、守衛が常駐する必要もなくなり、人件費削減にもつながりました。

補足

アンチパスバック機能は共連れ防止に効果的な機能ですが、完全に防げるわけではありません。入室と同様、正規の認証者とタイミングを合わせれば退室も可能だからです。「不正入室をすれば退室できない」という心理的な抵抗を感じさせる効果はありますが、確実に共連れを防げるわけではない点に注意しましょう。

対策としては、別の機能や監視カメラを併用する方法があります。例として、セキュリティゲートの設置があります。1人ずつしか通れないゲートがあれば、共連れ防止に効果的です。監視カメラはリアルタイムで現場の様子が確認できるほか、共連れを検出するとアラームで知らせる機能をもつものもあります。

とはいえ、セキュリティゲートや監視カメラにもデメリットがあるため、うまく組み合わせて使うとよいでしょう。

アンチパスバックに関する用語一覧

セキュリティ
防犯
入退室管理システム
共連れ検出
グローバルアンチパスバック
電気錠
セキュリティゲート
監視カメラ

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