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顔認証システムとは?導入するメリットや注意点を徹底解説

  • 顔認証システムとは?導入するメリットや注意点を徹底解説

    入退室管理システム

  • 2024.09.9

顔認証システムは企業の入退室管理システムから、空港や医療機関での本人確認、スマートフォンのロック解除など幅広いシーンで利用されるようになりました。

顔認証システムが急速に普及している要因としては、顔認証技術の進歩により、他の認証システムよりも認証精度が非常に高く、セキュリティ性も優れているというメリットがあげられます。

本記事では、顔認証システムとは何か、顔認証システムの仕組みやメリット、注意点などについて解説します。顔認証システムの活用シーンや導入事例についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

顔認証システムとは

顔認証システムとは

顔認証システムとは、認証装置のカメラで顔画像を取得し、目や鼻の位置など本人の特徴をデータ化して事前に登録されたデータと照合して認証する、生体認証技術のひとつです。AI(人工知能)技術であるディープラーニングによって、顔の特徴をしっかりと捉えて正確にデータ照合を行えます。

顔認証システムは生体認証とも呼ばれており、人それぞれ異なる「生体情報」によって、不正利用(なりすまし)を防げるのが特長です。生体認証には他に、「指紋認証」「声紋認証」「静脈認証」「虹彩認証」などがあります。

中でも顔認証システムは、他の生体認証に比べて「認証時に顔写真をログとして保存する」などの仕組みも搭載でき、管理者の目視確認を含めて不正行為を防止しやすくなっているのがポイントです。顔認証システムとは、さまざまな生体認証の中でも、特に優れたセキュリティ性を誇る認証方法と言えます。

顔認証システムが注目される背景​

顔認証システムが注目される背景に、大きく分けて以下2点の理由があげられます。

  • セキュリティ対策の重要性が増している
  • AIの進化でシステムの認証精度が大きく高まった

顔認証システムが注目される背景​に企業のセキュリティ対策の重要性が増している理由があげられます。従来のセキュリティ対策では「カードを利用した入退室管理システム」も見られましたが、カードの貸し借りや紛失、盗難といったリスクが問題となっていました。

顔認証システムなら社員間の貸し借りができず、誰が入退室したのかを的確に判別できます。また、カードのように盗難される可能性もないため、セキュリティリスクを最小限に抑えられるのが特長です。

そのため、セキュリティ対策の重要性が増している昨今において、顔認証システムを導入する企業は増加傾向にあります。

また、もう一つ顔認証システムが注目を集める背景に、AI技術の進歩によって顔認証システムの精度が大きく向上した理由もあげられます。​​マスク・メガネ着用や化粧・髪型の変化、経年変化などでも本人の特定が可能な顔認証システムもあり、よりスムーズかつ正確に見分けられるようになったのは大きな魅力です。

認証精度が高くなったことにより、​​顔認証は企業のセキュリティ対策だけでなく、空港や医療機関での本人確認、決済などの幅広いシーンで利用されるようになりました。​​

顔認証システムの仕組み

顔認証システムの仕組み

顔認証システムとは、カメラに写った人の顔を検出・分析し、既存の登録データと照合して本人確認を行う仕組みです。偽造が難しくセキュリティレベルが高い認証システムとして知られているものの、実際にどのような仕組みがあるのか気になる方も少なくないでしょう。

ここでは、顔認証システムの仕組みについてそれぞれ解説します。

認証システム​​

顔認証システムには「デバイス(オンプレミス)型」「クラウド型」の違いがあり、「顔をカメラで撮影したあと」のフローがそれぞれ異なります。

デバイス型

  • 専用の顔認証端末を設置して、端末または端末と接続している制御装置で認証を行う
  • メリット:「認証速度に優れている」「ランニングコストが抑えられる」
  • デメリット:「導入コストが高い」「運用保守などを自社で行う必要がある」

クラウド型

  • カメラで撮影した認証データをクラウドに送信して、クラウド上で認証を行う
  • メリット:「導入コストを抑えられる」「1つのサービスで多拠点を管理しやすい」
  • デメリット:「デバイス型に比べて認証速度が遅い」「ランニングコストが掛かる」

認証方式​​

顔認証の認証方式には「2D認証(ビジュアルベース)」と「3D認証(IRベース)」があり、方式によって認証精度が異なります。

2D認証(ビジュアルベース)

  • カメラで撮影した平面画像から、目・鼻・口などの特徴をデータ化し照合する認証方式
  • メリット:「汎用性が高く安価で導入できる」「一般的なカメラで認証を行える」
  • デメリット:「平面の顔写真でも不正照合ができてしまう」「日光や照明の光の量で認証精度が変化する」

3D認証(IRベース)

  • 赤外線センサー+カメラを利用し、顔を立体的に捉えてデータ化し照合する認証方式
  • メリット:「照合精度が高く優れたセキュリティ」「周辺の明るさの影響を受けにくい」
  • デメリット:「専用の赤外線付センサーカメラが必須」「2D認証に比べコストが高い」

オフィスのエントランスなど人目のある場所では、顔写真の不正利用も抑制されるため、「2D認証(ビジュアルベース)」でも十分なセキュリティ性能を発揮します。一方で、人通りが少なかったり、研究棟などより優れたセキュリティを求める場合は「3D認証(IRベース)」がおすすめです。

顔認証システムのメリット

顔認証システムのメリット

顔認証システムはセキュリティ対策として非常に優れたツールで、さまざまなシーンで利用されています。顔認証システムの導入によって得られる代表的なメリットは以下のとおりです。

  • セキュリティレベルが高い​​
  • 非接触なので衛生的
  • 忘れたり、失くしたりしない
  • 記録を残せる

ここでは、顔認証システムを導入するメリットを解説します。

セキュリティレベルが高い​​

顔認証システムは個人特有の顔を鍵として認証するため、暗証番号のように外部に漏れたり、ICカードのように盗難・偽造されたりするリスクが低いメリットがあります。他人による不正利用が起こりにくいため、顔認証システムはセキュリティ対策として効果的なシステムです。

さらに、生きた人間の顔かどうかを判断する、「生体検知機能」を搭載した顔認証システムなら、顔写真や3Dマスクなどによるなりすまし・偽装を防げます。よりセキュリティレベルの優れた認証が可能となります。

非接触なので衛生的

人の顔をカメラで撮影して識別する顔認証システムは、認証装置に接触せず、カメラの前に立つだけで認証できるのが大きなメリットです。感染症防止や衛生面が気になる方でも安心して利用できます。感染対策のひとつとしても有用なため、生鮮品を扱う食品製造業​​でも導入実績があります

また、認証する際にカードをかざしたり、暗証番号を入力したりする手間がなく、ストレスフリーで利用できる点もメリットです。荷物などで手が塞がっている場合でも、カメラに顔をかざすだけで簡単に入退室できます。​​

忘れたり、失くしたりしない

顔認証システムなら、忘れ物や紛失物などによって入退室できないといった課題を解消できるのは大きなメリットです。暗証番号システムやカードシステムの認証では、暗証番号を忘れてしまったり、カードキーを紛失するなどで入室できないことがよくあります。

顔認証システムなら暗証番号を覚えたり、物理的な鍵やカードは不要です。カードキーを忘れたり、紛失や盗難されたりするリスクもなく、その身一つで簡単に認証を行えます

また、紛失・盗難の影響を受けない顔認証システムは、管理面でも大きなメリットがあります。暗証番号システムでは、漏洩対策として定期的な暗証番号の変更が必要です。カードでの入退室管理は、紛失時にカードの再発行や再登録など管理側の負担も多くなります。

一方で、顔認証システムは最初に顔データを登録するのみ。紛失・盗難で登録した顔認証のデータを書き換えるといった手間も不要なため、管理者の業務効率化にも繋がります。

記録を残せる

顔認証システムを用いた入退室管理では、扉ごとに入退室した人の時間と名前の履歴を残せるのがメリットです。「いつ」「だれが」「どこに」入室したのかなどについて確認できるため、従業員による機密情報の持ち出しなど、内部不正に対する抑止効果にも繋がります。​​

また、サーバー室や書類保管室など重要な機密情報を扱う部屋については、特定の人しか入室を許可しないように設定することも可能です。

暗証番号では個人を完全に特定した入退室管理が難しく、カードキーも社員間の貸し借りや盗難被害といった課題が残ります。顔認証システムなら、入退室者を確実に特定したうえで記録を残せるため、内部不正に対する優れた抑止効果を発揮できるのがメリットです。

顔認証システムの注意点

顔認証システムの注意点

生体認証システムの中でも顔認証システムは非常に優れたパフォーマンスを発揮する一方で、いくつかの注意点があるのも事実です。特に、顔認証システムの導入で注意すべきポイントは以下の2点です。

  • 製品によって認証精度に差がある​​
  • プライバシーに配慮する

ここでは、顔認証システムを導入・活用する際の注意点について解説します。

製品によって認証精度に差がある​​

基本的に顔認証システムは認証精度が高いものの、メーカーや製品によって性能に差があります。顔認証システムによっては、メガネやマスク、化粧・髪型の変化、顔の経年変化などで認証できないメーカーや製品もあります

季節によってマスクの着用が増えるため、運用時にストレスを抱えてしまうケースもあり、導入前の確認が必須です。

また、先述した通り「顔写真をかざすだけでも認証される製品(2D認証)」と、「赤外線で顔写真を見破る製品(3D認証)」もあります。エリアごとに求められるセキュリティの重要度をゾーニング(区分け)して、製品を使い分けるのをおすすめします。

また、先述した通り「顔写真をかざすだけでも認証される製品(2D認証)」と、「赤外線で顔写真を見破る製品(3D認証)」もあります。エリアごとに求められるセキュリティの重要度をゾーニング(区分け)して、製品を使い分けるのをおすすめします。

プライバシーに配慮する​​

個人情報保護法では、顔写真や顔認証データも個人情報として扱われます。そのため、下記のルールに従って顔認証データを取り扱う必要があります。

個人情報や個人データを取り扱うときの基本ルールとは?
出典元:政府広報オンライン「個人情報や個人データを取り扱うときの基本ルールとは?
  1. 利用目的を通知又は公表する:どのような目的で個人情報を利用するのか公表、又は本人に知らせる。
  2. 安全に管理する:個人データに漏えい等が生じないように、安全に管理する。
  3. 第三者に提供時は同意を得る:個人データを第三者に提供するときは、本人の同意が必要となる。
  4. 開示請求は対応する:本人からの請求があった場合は、開示、訂正、利用停止などに対応する。

たとえば、顔認証システムを導入するときは事前に通知し、顔写真データを活用すると通知する必要があります。また、データの安全管理はもちろん、顔写真データを外部クラウドサーバーで管理するときなども事前の通知が必要です。

顔認証システムを導入する場合は「個人情報・個人データの取り扱い」によく注意する必要があります。

顔認証システムの活用シーン

顔認証システムは近年多くのシーンで活用が進められています。ここでは、顔認証システムを活用しているシーンについてご紹介します。

  • スマホのロック解除:スマートフォンのロック解除の方法としてiPhoneには3D顔認証技術であるface IDが搭載されており、高い精度でユーザーを識別します。
  • オフィスや工場の入退室管理:カードシステムから顔認証システムへリニューアルするところが増えています。書類や工具など手荷物を持っていても、そのまま入退室できます。
  • コンサートチケットの転売防止:チケットの申し込みと顔画像の登録を同時に行いチケットを取得します。コンサート当日はチケット番号と紐づけされた顔画像で本人確認するため、不正転売を防止できます。
  • スポーツジムの無人受付:ジムのチェックインを会員カードから顔認証にするところが増えています。顔認証システムを導入することで、店舗運営における従業員の負担低減と、利用者の満足度向上を両立できます。
  • 介護施設での見守り:認知症患者の予期しない徘徊や、知的障がい者の失踪を顔認証システムで未然に防ぎます。介護者や施設スタッフ業務の効率化を図ることができ、要介護者へのサービス向上につながります。
  • 空港の自動チェックイン機:国際線でのチェックイン時にパスポートと顔情報を登録し、それ以降の手続きは顔認証のみで可能となります。パスポートと搭乗券の提示が不要となります。

顔認証システムの導入事例:シェオフィス「STAYUP」

ラディックス株式会社が運営するシェアオフィス「STAYUP」での顔認証システムの導入事例をご紹介します。

顔認証システム導入前はカードの入退室管理システムを運用していたものの、下記問題点を抱えていました。

  • 会員のカード忘れや紛失が頻発:入退室カードを忘れた際や紛失した際に代わりのカードを貸出や返却業務が負担になっていた。
  • 土日に入室できない連絡が多発:スタッフが常駐していない、夜間や土日にカードを忘れたり、カードを持たずに外出して中に入室できない時などはスタッフに連絡が入り対応に追われていた。

これらの問題を解決するために、カードシステムから顔認証システムを導入しました。顔認証ではカードなどを持たずに認証できるため、カード忘れ、紛失した際の貸出・返却業務が無くなりました。さらに、夜間や土日に入室できない事例も少なくなりました。

カードシステム運用でサポート業務の負担が増大していたものが、顔認証システムへ切り替えることにより、セキュリティの向上と業務負担の軽減に成功しました。

顔認証システムを選ぶ際のポイント

顔認証システムを選ぶ際には、押さえておきたい5つのポイントがあります。導入する際に参考にしてください。

  1. 認証の精度とスピード:製品により認証の精度とスピードは異なりますが、認証精度は95%以上でマスク着用でも認証できるもの、認証スピードは0.5秒以内で照合時にストレスのないものを選びましょう。
  2. セキュリティ:セキュリティレベルに合わせて製品や運用方法を考える必要があります。共用部はカード認証、オフィス内は顔認証、サーバールームは顔認証+カード認証の組み合わせにするなど、重要度に合わせて運用を考えましょう。
  3. 他のシステムとの連携:顔認証システムで入退室管理をする場合、社内のさまざまなシステムと連携すれば、業務の効率化を図れます。例として、勤怠管理システムと連携すると顔認証で入退室した履歴を自動的に出退勤のデータとして利用・勤怠管理することも可能です。
  4. 設置する環境:顔認証システムの認証装置を設置する場所は、基本的に「屋内で直射日光の当たらない明るい場所」「設置する高さや角度は入室する人が全員が認証しやすい」位置に調整しましょう。特に2D認証では、顔がはっきりと撮影できる光量が必要です。
  5. システムトラブル時の対応:顔認証システムの故障や停電で入退室できない場合などを想定して、「トラブル時の連絡先を掲示すること」「緊急用として顔認証以外で扉を開けられる方法」を用意しておくことが重要です。

顔認証システムを導入してセキュリティを向上させよう!

顔認証システムとは、カメラに写った人の顔を検出・照合して認証する生体認証技術のひとつです。一昔前に比べると、AIの発達により認証制度やスピードが大きく向上しており、他の生体認証に比べてストレスフリーで活用しやすいのがメリットです。

カードキーなどとは違って紛失・盗難などのリスクも低く、優れたセキュリティを発揮できます。そのため、空港での本人確認やオフィスのセキュリティなど、近年ではさまざまな箇所で顔認証システムが活用されています。

もし、オフィスで使える顔認証に対応した入退室管理システムをお探しの場合は、この機会に「X-LINE」の導入をご検討ください

アートでは、入退室管理システム「X-LINE」の顔認証端末「XFR-01」をご用意しております。認証速度0.2秒以内、顔認証精度99%以上(マスク着用でも認証可能)、顔の登録件数10万件の高性能な顔認証装置となっています。圧倒的な認証スピードでウォークスルーを実現できます。ぜひご検討ください。

Q&A

Q.顔認証はどこで判断しているのですか?

A.顔認証は、カメラで取り込んだ画像や映像から顔を検出し、目や口、鼻の位置などをデータ化します。事前に登録したデータと照合して認証するシステムです。

Q.顔認証システムのメリットは何ですか?

A.​​顔認証の特徴は他人による不正利用が起こりにくい点です。顔のパーツは個人特有のものであり、他人がなりすまして認証するのはほぼ不可能です。そのため、顔認証はさまざまな場所で本人確認の方法として採用されており、高いセキュリティ対策が必要なシーンで役立っています。​​

Q.顔認証システムの注意点は何ですか?

A.顔認証リーダーの設置場所によって、認証装置のカメラが逆光の影響を受けたり、暗い場所に設置されていたりすると、鮮明な顔のデータを検出できなくなってしまうため、カメラの設置環境には注意が必要です。

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