オフィスに監視カメラを設置するメリットとは?選び方や注意点も解説
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監視カメラ
- 2025.03.28
CONTENTS この記事でわかること
オフィスに監視カメラを設置すれば、「外部の防犯対策による従業員の安全確保」「オフィス内部の不正行為防止」など、オフィスで働く従業員が安心して働ける環境を提供することができます。
そのため、近年ではオフィスに監視カメラを設置するケースが増加傾向にあります。しかし、監視カメラにはさまざまなタイプのカメラがあり、目的や用途などによって設置場所に合わせたカメラを選択しなければなりません。
本記事では、オフィスに監視カメラを設置するメリットからカメラの選び方まで紹介します。オフィスに監視カメラを設置する際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
国内の監視カメラの市場規模

公益社団法人日本防犯設備協会の「防犯カメラに関する調査研究報告書」によれば、監視カメラの国内市場規模は2021年見込みで593億円、2024年予測では619億円に拡大すると予測されています。
中でもネットワークカメラ(IPカメラ)は利便性が高く低価格化が進んでおり、全体の約75%を占めているのがポイントです。AIの進化に伴って、防犯やマーケティングに役立つ監視カメラが続々と登場しており、オフィスをはじめとして今後もさらに活用が広がると予想されます。
オフィスに監視カメラを設置するメリット

オフィスで働く従業員が安心して働ける環境づくりとして、監視カメラをオフィスに導入する企業は増加傾向にあります。 監視カメラをオフィスに設置すれば、「防犯対策による安全確保」「情報漏洩や不正行為の防止」「労務管理の効率化」などさまざまなメリットを得られるのも事実です。
ここでは、オフィスに監視カメラを設置するメリットについてそれぞれ解説します。
従業員の安全を確保できる
オフィスに監視カメラを導入すれば、従業員の安全確保に繋がるのが大きなメリットです。監視カメラは防犯対策として、さまざまな場所で活用されています。オフィスの出入り口や駐車場に監視カメラを設置すれば、外部からの不法侵入や不審者、盗難などの犯罪行為に対する一定の抑止効果が期待できます。
また、万が一犯罪が発生した場合には、録画した監視カメラの映像が証拠となり、犯行現場の確認や犯人の特定など事件の詳細把握に役立てられるのも導入効果のひとつです。
何かトラブルが起きた際も濡れ衣を着せられるリスクが減るため、オフィスで働く従業員の安心感にも繋がります。
不正行為を防止できる
オフィス内に監視カメラを設置すれば、内部の不正行為を防止・抑制する効果が期待できるのも大きなメリットです。「職場に監視カメラがあるのは気持ち悪い」と抵抗感がある人も多いかもしれませんが、「従業員による情報漏洩等の不正」「パワハラなどのハラスメント行為」を抑制できます。
実際に不正やハラスメントが起きた場合も、オフィス内の監視カメラで記録した映像を解析し、行為の確認や証拠として利用できる点も大きなメリットです。
情報漏洩は企業が甚大な被害を受けるリスクがあるため、機密情報を保管する部屋のセキュリティとして、オフィスに入退室管理システムや監視カメラを設置する取り組みは企業として必須の対策と言えます。
セキュリティコストを削減できる
オフィスのセキュリティ対策として監視カメラを導入すれば、相対的にセキュリティコストを削減できるのもメリットのひとつです。オフィスのセキュリティとして、エントランスの受付人員や警備員を配置している企業も珍しくありません。しかし、人件費等は大きな負担となります。
そこで、オフィスへ「監視カメラ」「入退室管理システム」「無人受付システム」などを導入すれば、人件費を大幅に削減する効果が期待できます。
入退室管理システムや無人受付システムで異常が発見された場合は遠隔で確認するなど、離れたオフィス管理をスマートに行えるのも魅力です。24時間体制で多くのオフィスを管理してセキュリティを充実させつつも、総合的なコストを削減できます。
労務管理や業務改善に役立つ
オフィスの監視カメラを導入すれば、労務状況の実態を把握できるのもメリットです。働き方改革の一環として生産性の向上を図り、時間外労働を削減する企業が非常に増えています。
監視カメラを導入すれば従業員の労務状況を把握し、効率的な業務への改善や快適に働ける環境づくりに役立てられます。
従業員にとっても、監視カメラがオフィス内に設置されていることで、自身の勤務状況や行動が記録されていることを意識するようになります。これにより、適度な緊張感が生まれ業務の効率化に繋がります。
オフィス用監視カメラの効果的な設置場所

オフィス向けに監視カメラを導入する際は、効果的なスポット・設置場所に見合った監視カメラを導入するのがおすすめです。ここでは、オフィスにおける監視カメラの代表的な設置場所と監視対象、ポイントについて解説します。
エントランス
エントランスは多くの人が出入りする場所で、犯罪や盗難が発生した際に逃走経路として利用されることが多くなっています。そのため、オフィスに監視カメラを設置する場所としては一番重要なエリアです。
エントランスのカメラ設置は逆光になることが多いため、ワイドダイナミックレンジ補正などの逆光補正機能が搭載されたカメラを選択する必要があります。 また、監視するエリアに死角が出ないように広範囲を撮影できる広角カメラやカメラを複数台設置するなどの検討が必要です。
経理部
お金を扱う部門は内部不正が発生しやすい場所のため、不正を未然に防ぐためにも抑止効果のある監視カメラの設置が有効です。
経理部への監視カメラ設置は「人の出入りや金庫周辺の動きが撮影できる広角カメラ」と「金庫前では手元が確認できる高画質高性能レンズを搭載した光学ズームが可能な監視カメラ」がおすすめです。
駐車場
駐車場は社員以外にも多くの人が出入りするエリアです。死角も多く、車上荒らしや盗難のほか、事故なども起こりやすい場所のため、監視カメラが有効です。
駐車場は屋外設置の場合が多く、防水性の高いカメラを選択する必要があります。特に夜間や夕方など暗くなってからの犯罪が多いため、夜間でも撮影可能な赤外線カメラや暗視カメラがおすすめです。
オフィス用監視カメラの種類

一口にオフィス向け監視カメラといっても、形状・機能・特徴など多種多様なモデルが登場しています。そのため、事前にオフィス用の監視カメラにどのような種類があるのか、目的と場所に合ったカメラを選択することが重要です。
ここでは、オフィス用監視カメラの種類についてそれぞれ解説します。
ボックス型・パレット型
ボックス型(バレット型)カメラは、本体とレンズが一体式となった四角柱タイプのスタンダードな形状の監視カメラです。一目で監視カメラだと分かるため、設置することで犯罪などの抑止効果に最適です。
撮影は一方向のみで、広範囲を撮影するには複数台の設置が必要です。
ドーム型
ドーム型カメラは半球型のドーム状の監視カメラです。撮影方向は見た目では分かりづらい構造で、ボックス型に比べると目立ちにくく、景観になじみやすい監視カメラです。広範囲を撮影できるため、少ない設置台数で全体の撮影をカバーできます。
置き型
置き型カメラは卓上に置いて使用する監視カメラです。コンパクトで工事が不要なため、手軽に設置して監視カメラとして利用することができます。スマートフォンのアプリと連携して遠隔で監視できる種類もあり、さまざまな用途で使用できるカメラです。
PTZ型
PTZ型カメラは遠隔でビデオレコーダーを操作できる監視カメラです。PTZとはパン(Pan)・チルト(Tilt)・ズーム(Zoom)の省略で、レンズを上下・左右・ズームイン・ズームアウトして撮影の範囲を自由に変えられます。
全方位型
全方位型カメラは魚眼レンズで360°撮影可能なカメラです。カメラ1台で広範囲を撮影したい場合に最適です。ただし、広いエリアを撮影できる分、他のカメラに比べてデータ量が多い傾向にあり、ストレージの容量については注意が必要です。
オフィス用監視カメラを選ぶ際の3つのポイント

オフィス向けに監視カメラを選ぶ際のポイントとして、「録画方法と保存期間」「設置場所に合わせた性能」「セキュリティ」について解説します。
録画方法と保存期間
監視カメラ映像を記録する一般的な媒体として、「SDカード」「ハードディスクドライブ(HDD)」「クラウド」方式の3つがあります。
SDカードは監視カメラに内蔵できる記憶媒体として、レコーダーがなくても手軽にデータを保存できます。保存期間は256GBのSDカードでフルHD画質30fpsのデータを保存した場合、約1日程度の保存ができます。
ハードディスクドライブ(HDD)は監視カメラに接続されたビデオレコーダーに内蔵して使用する記憶媒体で、一番普及している保存方法です。保存期間は1TBのHDDでフルHD画質30fpsのデータを保存した場合、約3日程度の保存ができます。
クラウド方式はインターネット経由で仮想スペースにデータを保存する方法です。月額料金が発生するため、他の記憶媒体よりも割高となる傾向にあります。保存期間は契約によって、データ容量と保存日数を選ぶことができます。契約内容で料金は変動します。
設置場所に合わせた性能
オフィスに監視カメラを設置する際は、設置環境に合わせたカメラを選択する必要があります。
屋外に設置する場合は防水タイプの防塵・防水性能がIP67に準拠した監視カメラを選択します。そのうえで、夜間など暗い場所を撮影する場合は、赤外線照射機能付きIR監視カメラも重要です。
また、「カメラの形状」も設置場所に合わせる事例が多くなっています。カメラの設置による犯罪抑止効果を期待する場合は、バレット型などの目立つ監視カメラを選択して存在感を演出します。
一方で、監視カメラの威圧感を抑えたい場合はドーム型カメラなど、目立たないタイプの監視カメラを選択するのもポイントです。「カメラ本体の性能」に加えて、「形状によって異なる存在感」も設置場所に合わせる必要があります。
セキュリティ
現在ではネットワークカメラが監視カメラの主流となっています。しかし、不正アクセスやデータの改ざん、プライバシーの侵害といったリスクがあるため、外部からの攻撃に対するセキュリティ対策が不可欠です。
不正アクセス被害を防ぐために、オフィスに監視カメラを設置する場合は「①安全性の高いパスワードを使用する」「②最新のファームウェアを利用する」「③信頼性の高いDDNSを利用する」などの対策が求められます。
言い換えれば、上記のようなセキュリティ対策が施されていないネットワークカメラは、オフィス向け監視カメラには適さないとも言えます。監視カメラ等の映像が外部に流出すると大きなトラブルが発生するため、企業としてリスクヘッジするためにも、監視カメラのセキュリティ対策についてチェックが必要です。
オフィスに監視カメラを設置する際の注意点

オフィスの監視カメラを効果的に運用するには、適切な場所へ設置することが重要です。そのうえで、プライバシーに対して配慮する必要があります。ここでは、オフィスに監視カメラを設置する際の注意点について解説します。
撮影したいものを明確にして、死角を作らない
監視カメラを設置する際は、撮影する目的を明確にしたうえで、「撮影場所」「範囲」「何を撮影するのか」をもとに監視カメラのタイプを選定するのが重要です。
目的を事前にはっきりとさせていなければ適切な監視カメラを選びにくく、想定していなかった死角が生まれたり、効果の薄い監視カメラ運用をしてしまう可能性も否定できません。
たとえば、人の顔、車のナンバー、持ち出しているものなどを映像に収めたい場合は、高解像度タイプの監視カメラがおすすめです。一方で、人の流れや来客者が来たことが分かりたい場合は、広角タイプのカメラを選択するなど、映像に収めたいものを明確にしましょう。
さらに、セキュリティを重視する場合には、死角を作らないよう複数台のカメラを設置することも考える必要があります。時間帯によっては太陽光が入り逆光となる場合には、逆光補正機能搭載のカメラが必要です。
プライバシーに配慮する
個人を特定できる映像は、個人情報にあたります。個人情報保護法では、カメラを設置してカメラ画像を取り扱う場合には、さまざまな安全管理措置を講じることが義務付けられています。
参考:個人情報保護委員会「カメラ画像を取り扱う場合の安全措置としての注意点」
勤務中はプライベートな時間ではないため、オフィス内を監視カメラで撮影することは、プライバシーの侵害には該当しません。そのため、業務を監視する目的であれば、違法ではありません。
とはいえ、更衣室やトイレはプライバシー空間となるため、内部に監視カメラを設置しないのは当然です。他の場所から思わぬ形で映り込まないよう、内部の見えない入口だけに留めるなど細心の注意を払う必要があります。
従業員の中には、オフィスに監視カメラが設置されることで自分の行動を監視されていると感じ、不快に思う人もいるかもしれません。しかし、何かのトラブルがあったときは原因・犯人を特定できるため、罪のない従業員を疑わずに済みます。
また、変な疑いを掛けられる心配もなくなるなど、経営側・従業員側の双方にメリットがあるのも事実です。プライバシーへの配慮は大切ですが、監視カメラ設置の目的やメリットを従業員に説明して、理解してもらう取り組みも大切だと言えます。
監視カメラを活用して安心・安全なオフィス環境を実現しよう!
ここまで、オフィスに監視カメラを設置するメリットや効果的な設置場所、選び方や注意点などについて解説してきました。安心・安全なオフィス環境を実現するために監視カメラの導入を検討してはいかがでしょうか。
カメラの選定にお困りの方は、安心と信頼をお届けするアートのセキュリティカメラシリーズをご検討ください。豊富なラインナップでドーム型、バレット型、広角タイプ、魚眼タイプなど、ニーズに合わせた多様な製品をご用意しています。
セキュリティ機器専門メーカーであるアートが提供する高品質・高機能な監視カメラは、万一の不具合や故障でも、長期保証・充実のサポートで安心してお使いいただけますので、ぜひご検討ください。
Q&A
Q:オフィスに監視カメラを設置するのは違法ですか?
A:勤務中、オフィス内を監視カメラで撮影することは、プライバシーの侵害には該当しません。業務を監視する目的であれば違法ではありません。ただし、更衣室やトイレの中はプライバシーの侵害になるため、設置場所には注意が必要です。
Q:監視カメラはどうやって選べば良いですか?
A:監視カメラについては設置場所や目的を決めてカメラのタイプを決めます。次に予算を考慮しながら、設置台数やシステム構成のほか、解像度や記憶媒体の容量などを決めると良いでしょう。