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FeliCaとは?仕組みや特徴を解説!MIFAREやNFCとの違いも紹介

  • FeliCaとは?仕組みや特徴を解説!MIFAREやNFCとの違いも紹介

    ICカード認証

  • 2023.10.27

日常生活の中で、交通系ICカードや電子マネーカードを利用している方も多いのではないでしょうか。カードをリーダーにかざすだけで決済や認証ができる仕組みには、FeliCaが利用されています。

本記事では、FeliCaについて詳しく解説します。また、FeliCaと同じように利用できるため間違われやすい「NFC」「MIFARE(マイフェア)」などについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

FeliCaとは

FeliCa(フェリカ)は、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードのための通信技術です。「Felicity(至福)」と「Card」を組み合わせた名称になっており、日本ではキャッシュレス決済などの用途で利用されています。ICカードとして利用されるケースが多いため、カードそのものだと思われがちですが、FeliCaはICカード以外にも組み込める規格です。

FeliCaを利用する際は、ICカードなどを読み取り機器にかざすだけで簡単に認証できるため、交通ICカードや電子マネーカードなどの幅広いシーンで利用されています。

FeliCaの仕組み

FeliCaのデータ構造や通信方式、FeliCa独自の製造番号などについて詳しく解説します。FeliCaの仕組みが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

構造と通信方式

FeliCaには、ICチップやアンテナが内蔵されています。FeliCaへのデータ書き込みや読み取りを行うリーダー/ライターにもアンテナが内蔵されており、ICチップとリーダー/ライターとの通信は、電磁波によって行われる仕組みです。

また、FeliCaは13.56MHzの周波数帯を利用して通信を行っています。通信速度は212kbpsや424kbpsですが、FeliCaの最大通信速度の理論値は847kbpsです。ほかのICチップよりも高速で通信ができる規格のため、利用時の認証が瞬時に完了します。

ファイルシステム

FeliCaのファイルシステムは、フォルダに相当する「エリア」ファイルに相当する「サービス」が階層状に構成されています。一つのICチップに複数のサービスを搭載できる仕組みです。

また、エリアやサービスには、それぞれ個別にアクセスキーやアクセス権を設定できます。アクセス権がない場合はサービスを利用できません。高いセキュリティで他人の不正利用を防ぎつつ、目的に応じたさまざまなサービスを利用できるシステム設計になっているため、利便性が高い点が魅力です。

独自の製造番号「IDm」とは

FeliCaには、IDmと呼ばれる番号が設定されています。IDmは製造時にICチップに記録される固有の番号で、16桁の数字で表記されており、書き換えなどの編集はできない仕様です。同じ番号が流通しないようソニー株式会社が管理しているため、信頼性が高いです。

IDmは認証キーとして簡単に利用できるため、アプリケーションやシステムも普及しています。例えば、社員の勤怠管理やポイントカード・会員カードなどの幅広い用途に利用可能です。

FeliCaの3つの特徴

ここでは、FeliCaの特徴を3つ紹介します。FeliCaの使いやすさセキュリティ面の特徴についてみていきましょう。

特徴1.処理速度が速い

FeliCaの特徴は高速処理ができる点です。リーダー/ライターにかざすと約0.1秒で処理が完了するため、ストレスなくスムーズに利用できます。高速処理ができる特性を活かして、日本では交通ICカードとして利用されています。

混雑する改札で、ICカード利用者がほぼ立ち止まらずスムーズに通過できるのは、交通系ICカードにFeliCaが搭載されているためです。FeliCa以外にも非接触ICカードの通信規格はありますが、通信速度はFeliCaに劣ります。

特徴2.セキュリティレベルが高い

FeliCaはセキュリティレベルが高く、クレジットカードやキャッシュカードなどに利用されています。通信データの暗号化キーは、データのやり取りが行われるたびに生成されるため他人が偽造しにくく、なりすましなどを防げる仕組みです。

また、FeliCaカード発行時には事業者とソニー株式会社との間で、発行情報と鍵変更情報の安全な受け渡しが行われます。このように、FeliCaには高いセキュリティレベルと信頼性があるため、個人情報や金銭のやり取りをする際も安心です。

特徴3.さまざまな用途で利用できる

FeliCaのファイルシステムを利用すると、1枚のICカードに複数のサービスを盛り込めます。例えば、普段は交通ICカードとして利用しているものに、会社の入退室IDやパソコンのログインに利用できる権限を付与できるのです。

また、近年ではICカードだけでなく、スマートフォンにも導入されています。FeliCa対応のスマートフォンを利用すると、1台でさまざまなサービスを使えるため、複数のカードを持ち歩く必要がなくなります。

カード以外にも組み込める

FeliCaはICカードに組み込まれているケースが多いですが、ICチップはカード以外にも、スマートフォンや腕時計、キーホルダーなどの小物などに組み込めます。利用シーンに合わせて、さまざまな形状のものに組み込めるため、利便性が高い規格です。

FeliCaの2つの種類

FeliCaは機能やセキュリティ、コストなどの違いによって2種類に分かれています。ここでは「FeliCa Standard」と「FeliCa Lite-S」の違いを解説します。

1.FeliCa Standard

FeliCa Standardは、ICチップの容量が大きく、高いセキュリティで守られているタイプです。高性能なため導入コストは高くなります。現金をチャージして利用する公共的なシステムなどに利用されています。例えば、交通系ICカードや電子マネーカード・クレジットカードなどです。

また、FeliCa Standardは、複数のアプリケーションを設定できます。例えば、交通系ICカードとして利用しつつ、社員証として認証に使いたい場合はこちらの種類を選びましょう。

2.FeliCa Lite-S

FeliCa Lite-SはICチップの容量が小さく、FeliCa Standardよりもセキュリティー性が低いタイプです。設定できるアプリケーションは一つで、機能やセキュリティ面ではFeliCa Standardに劣りますが、コストが低いため運用しやすいメリットもあります。

また、アンテナの小型化により、カード以外のさまざまな小物や小型装置などに組み込めます。シール状のタイプもあるため、紙やポスターに貼り付けて利用可能です。主に電子チケットやギフト券、社員証などに利用されています。

FeliCaと混同されやすい「NFC」や「MIFARE」とは

FeliCaと同じように使えるため、混同されやすいものに「NFC」や「MIFARE」があります。ここでは、それぞれについて解説し、FeliCaとの違いや関係性を説明します。

処理速度が異なるNFC

NFCはNear Field Communicationの略称で、近距離無線通信規格を指します。FeliCaはソニー株式会社が開発した日本の規格で、日本とアジアの一部でしか利用されていませんが、NFCは世界で普及している国際規格です。NFCには以下の4つの規格があります。

  • Type A
  • Type B
  • ISO/IEC 15693
  • Type F

Type Aはたばこを購入する際に必要な「taspo(タスポ)」、Type Bは運転免許証やマイナンバーカードの規格です。ISO/IEC 15693は、商品管理用のICタグやラベルに利用されています。

Type FはFeliCaの規格です。FeliCaはNFCのType Fに属しているため、NFCの一つだといえます。

低コストで利用できるMIFARE

MIFAREは、FeliCaと同じく非接触型ICカードの通信規格です。FeliCaが日本の規格として普及しているのに対し、MIFAREは国際規格として標準化されており、世界中で利用されています。また、FeliCaのIDmと同じようにUIDと呼ばれる固有の製造番号があり、認証に利用できます。

MIFAREの特徴は、暗号機能やセキュリティなどが低機能化されている点と、FeliCaよりも低コストで利用可能な点です。大量生産に向いているため世界中で広く普及していますが、日本では社員証やtaspoなどに使われています。

FeliCaとMIFAREはどちらがいい?

FeliCaとMIFAREはどちらもICチップを搭載しており、同じような使い方ができるため違いがわからない方も少なくありません。データ容量やセキュリティレベル・導入コストに違いがあるため、用途や予算に合わせて使いやすい方を選びましょう。また、FeliCaは日本とアジアの一部でしか利用できない点に注意が必要です。

さらに、利用したいアプリケーションやシステムによって、使えるICチップの規格が異なる点にも注意しましょう。ICチップ、読み取りや書き込みを行うリーダー/ライターそれぞれの互換性を確認してから利用してください。

FeliCaはカード以外にも幅広いシーンで活躍!用途に合わせて利用しよう

FeliCaはスピーディーに認証ができ、高いセキュリティ性があるため、金銭のやり取りから個人の識別までさまざまな用途で利用されています。セキュリティ対策や業務効率化の目的でICチップを導入したい場合は、使いやすいFeliCaが便利です。

また、FeliCaはカードだけでなく、キーホルダーのような小型の持ち物やポスターなどの紙類にも組み込めるため、利用シーンに合わせて導入しやすい規格です。FeliCaの種類によってセキュリティレベルやコストが異なるため、用途に合うタイプを選んでください。

アートでは、ICカードや生体認証など多彩なリーダー対応の入退室管理システム「X-LINE」をご用意しておりますので、ぜひご確認ください。

※「FeliCa」は、ソニー株式会社の登録商標です。
※「MIFARE」は、NXP B.V.の登録商標です。

Q&A

Q:FeliCaとは何ですか?

A:FeliCaは、ソニー株式会社が開発した非接触ICカードのための通信技術です。高速で処理できるのが特徴で、ICカードなどを読み取り機器にかざすだけでスピーディーに利用できます。

Q:FeliCaは何に利用されていますか?

A:FeliCaは、交通系ICカード・電子マネー・学生証や社員証のIDなど、幅広い利用シーンで使われています。また、FeliCaはICカードに内蔵されているケースが多いですが、腕時計やキーホルダーなどの小型のものにも組み込めます。

アートの入退室管理システム「X-LINE」

  • ポイント1

    FeliCa・MIFAREⓇに対応したリーダー

    ポイント2

    ICカード・テンキー・生体認証などさまざまな認証方式を組み合わせ可能

    ポイント3

    共連れ検出や2名同時認証などセキュリティ機能も充実

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