顔認証の仕組みとは?必要性から入退室管理に最適な理由を解説
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顔認証システム
- 2024.12.26
CONTENTS この記事でわかること
いつ、何が起きるかわからない世の中…セキュリティ対策の重要性が謳われています。その対策のひとつとして、入退室管理システムの導入を検討している企業も多いはずです。しかし、何を基準に選べば良いのかは悩むところ。
近年では、従業員の安全を守るために、顔認証タイプの入退室管理システムを導入する企業が増えています。とはいえ、顔認証の仕組みに不安を覚えて、入退室管理システムとして導入するのにいまいち踏み切れていない方もいるかもしれません。
この記事では、顔認証システムの仕組みについて、顔認証タイプを選ぶ重要性から入退室管理システムで悩むポイントまで徹底解説します。快適な入退室管理システムを実現する顔認証カメラについても触れていますので、あわせてご参照ください。
顔認証の仕組みとは
顔認証の仕組みとは、カメラに写っている映像から検出した人の顔をデータとして数値化して、登録済みの顔データと相違点がないか照合する仕組みです。顔認証システムの簡単な仕組みは次のとおりです。
- カメラで撮影された画像・映像から顔の範囲を検出
- 目・鼻・口などのパーツの特徴や位置・大きさを分析して、特徴(特徴量)をデータ化
- 顔の情報を数値化して顔データを作成
- あらかじめ登録している顔の特徴データと照合して本人認証を行う
ここでは、顔認証の仕組みについて解説します。
ディープラーニングによる高度なAI技術
顔認証には、ディープラーニング(深層学習)による高度なAI技術の仕組みが利用されています。AIがさまざまな人物の顔のデータを読み込み、人間の顔の判別に必要な情報を学習。ディープラーニングによって、本人確認時に顔の特徴をしっかりと捉えて的確にデータ照合を行い、精度の高い認証ができます。
顔認証時には目や鼻の位置関係などの特徴を照合し、特徴の数が一定以上であれば本人だと判断されるのが顔認証の仕組みです。
一昔前とは違って、近年の顔認証はAIの進歩とディープラーニングを活用したアルゴリズムが仕組みを大きく支えています。すでに現代の顔認証システムは、人間の判別能力を超えた高精度な識別を可能にしているのが特徴です。
なりすましができない仕組み
顔認証システムはその仕組み上、ほとんどなりすましを行うことができません。
たとえば、ICカード方式の認証では、カードの紛失や盗難などが原因で他人による不正利用のおそれがあります。従業員同士でも「カードの貸し借りで入退室管理が難しい」「本来は権限のない人が重要エリアに入室する」といった、社内情報を漏洩するリスクについても考えなければなりません。
その点、顔認証システムは個人特有の顔で認証するため、紛失や盗難、貸し借りといった行為も不可能です。顔認証はなりすましができない仕組みのため、高度なセキュリティが必要な場合には最適なシステムとして注目を集めています。
入退室管理システムの導入で悩むポイント
まずは、入退室管理システムの導入で多くの方が悩むポイントを整理してみましょう。メリットや不安に感じることなど、一つひとつのポイントを理解し解決策を見つければ、自社にとって必要なシステムが分かります。
ここでは、入退室管理システムの導入でありがちなポイントについて、悩みを掘り下げて解説します。
システムごとのメリットがわからない
入退室管理システムの主な認証方式には、暗証番号を入力する「テンキー方式」、社員証などのカードをかざす「ICカード方式」、人の身体の一部を読み取る「生体認証方式」、スマートフォンの専用アプリによる「スマートフォン方式」があります。
システムごとのメリットや用途が分からなければ、顔認証の仕組みを理解しても恩恵を把握しづらいかもしれません。ここでは、入退室管理システムにおける各認証方式ごとのメリットについて、用途を踏まえて簡単にご紹介します。
・テンキー方式
内容 | メリット | 用途 |
事前に登録した暗証番号をテンキーから入力して認証する方式 | ・導入が容易 ・低価格で導入できる ・カードなどを持ち歩く必要がない | ・倉庫 ・住宅 ・特別養護施設など |
・ICカード方式
内容 | メリット | 用途 |
カードリーダーにICカードをかざして、個人コードを読み取って認証する方式 | ・いつ誰が入退室したのか把握できる ・社員証や学生証と併用できる ・複製や偽造が難しい | ・社員通用口 ・大学研究室 ・テナントビルなど |
・生体認証方式
内容 | メリット | 用途 |
生体認証リーダーで、指紋や顔など、生体の一部をカメラなどで捉えて認証する方式 | ・セキュリティレベルが高い ・非接触なので衛生的 ・忘れたり、失くしたりしない | ・スポーツクラブ ・コンサート会場 ・空港など |
・スマートフォン方式
内容 | メリット | 用途 |
スマートフォンに専用アプリをインストールして、スマートフォンを鍵として利用する方式 | ・新たにカード等が不要のため費用を抑えられる ・使用頻度が高いスマートフォンのため負担が少ない ・複製や偽造が難しい | ・マンション ・住宅 ・賃貸物件など |
新しい取り組みに対する従業員の不安
新たに入退室管理システムを導入する場合、自分の役割や負担、個人情報などについて不安に感じる従業員が現れるケースも珍しくありません。
特に運用上の変化や新しいシステムを導入する部門は、従業員の不安を解消するために、システムの目的や意図などを明確にして説明する必要があります。
従業員が安心して新しいシステムに適用できるよう、適切なサポート体制を用意し、従業員とのコミュニケーションを密に取ることが大切です。できるだけ従業員の負担を減らして不安を払拭できるように取り組めば、顔認証の仕組みを受け入れてもらいやすくなります
コストや保守面への不安
入退室管理システムの導入・運用には一定のコストがかかります。そのため、費用が予算に見合うか不安に感じる方も少なくありません。顔認証システムを導入する際は以下のようなコストがかかります。
- 初期費用・・システム機器代及び工事費用、サーバー構築費用など
- 運用費用・・システムの保守費用、サーバー利用料など
- 原状回復費用・・移転する際のシステム撤去に伴う原状回復費用など
顔認証の仕組みを採用した入退室管理システムを導入するときは、必要な機能・実現できる機器を検討したうえで費用を算出することが大切です。導入後もランニングコストを踏まえながら、どのような費用対効果を生み出せているのか検証する必要があります。
顔認証システムなら悩みを解決
入退室管理システムの認証方式によって、従業員の負担や導入コストには大きな違いがあります。なかでも、顔認証システムの仕組みなら、「従業員の負担が掛かりそう」「コストやメンテナンス性が気になる」といった不安を解消できるのがポイントです。
ここでは、顔認証の仕組みを採用した入退室管理システムで得られるメリットについて解説します。
従業員の負担が少ない
顔認証システムの運用は、顔をかざすだけで簡単に認証できることが最大のメリットです。両手が塞がっている場合でも、手ぶらで簡単に認証できます。
ICカードなどを持ち歩く必要がないため、従業員にとっても紛失やカード忘れなどのリスクが無く、安心して利用できるのがポイントです。
顔認証システムの仕組みを取り入れれば、総務部など入退室管理システムの運用担当者にかかる負担も軽減できます。カード紛失時の再発行業務が不要となり、よりコアな作業に注力して業務を効率化できるのもメリットです。
低コスト且つメンテナンスフリーで導入可能
顔認証技術の進歩に伴い、認証精度の高いシステムが低価格で導入できるようになりました。顔認証リーダーが10万円以下の製品もあり、従来からあるテンキー認証システムと同価格程度で顔認証システムを導入することが可能です。
また、既設の監視カメラを利用して顔認証システムを構築できる、専用の顔認証リーダーを必要としないシステムもあり、顔認証で制御する扉が多い場合には、導入コストを大幅に削減できます。
顔認証システムの導入が従業員を守る
オフィスで情報漏洩などのトラブルが発生した場合、社内マニュアルなどにより2次被害の拡大防止として、迅速な対応が必要です。
企業の機密情報や資産を守ることは従業員の安心にもつながることから、セキュリティを強化して情報漏洩などのトラブルを未然に防がなければなりません。そのようなときも、顔認証の仕組みを採用した入退室管理システムが役立ちます。
一般オフィスへの侵入事件は後を絶たない
侵入窃盗事件の1割以上はオフィスへの不法侵入となっており、オフィスを狙った侵入窃盗は意外と多いのが現状です。
狙われる理由としては、「住宅に比べ人がいない時間が特定できる」「人の出入りが多いので下見がしやすい」「夜間など誰もいないので大きな音が出せる」など、オフィスは窃盗犯にとって都合の良い点が多いため、狙われやすくなっています。
オフィスは一見、現金や貴金属など金目のものが無さそうですが、パソコン・金庫・機密情報などがターゲットとなっています。特に機密情報が盗まれ企業の重要な情報が外部に漏れ、企業のイメージダウンや信頼喪失とならないよう、万全のセキュリティ対策が必要です。
事件の防止が従業員にとっての安心
窃盗や情報漏洩などの事件が起きた場合、外部の犯行だけでなく、従業員も疑われる対象となります。「疑いが生じる=人間関係の崩壊」につながることもあり、事件を未然に防ぐ対策が重要です。
つまり、不正を防ぎやすい顔認証の仕組みを取り入れた入退室管理システムなら、真面目な従業員の安心感を生み出せます。
機密情報や金庫などが保管されている重要度の高い部屋には、管理職者など限られた人のみが入室できる仕組みを取り入れ、一般従業員に疑いがかかることの無いよう取り組むことが大切です
更に、盗難事件が発生しないための対策として、オフィスの各部屋をセキュリティレベルによって分類するのもポイントです。重要度の高い部屋には、もっとも高いセキュリティレベルの設備を導入する必要があります。
高いセキュリティレベルが求められる部屋には、「防犯カメラを設置し24時間録画する」「入退室管理システムで入退室者の履歴を保存する」「入室時の認証にはなりすましが出来ない顔認証を採用する」など、各システムの導入が抑止効果にもつながり事件を未然に防ぐことができます。
顔認証の仕組みで業務効率化も図れる
入退室管理システムは勤怠管理と連携できるシステムも多く、認証方式を顔認証にすることで、出退勤の処理を顔認証で行うことができます。出退勤時に顔認証で入室・退室すると、自動的に勤怠管理にデータが送られて出勤または退勤の状況が記録される仕組みです。
顔認証の仕組みを利用すればなりすましができないため、出退勤の不正を防げます。そのため、従来のICカードと比べると、確実で効率的な出退勤管理が可能です。
顔認証システムのなかには顔認証リーダーにサーマルカメラを内蔵した製品もあり、発熱を検知して無理な勤務を抑止することもできます。
低コストで導入できてストレスなく利用できる「F-5830」
低コストで顔認証で扉を制御をしたい場合に最適なのが、株式会社アート製の顔認証端末「F-5830」です。電気錠制御盤に接続するタイプの顔認証なので、テンキー認証のシステムと同価格程度で導入することができます。
顔認証速度は0.2秒で、カメラの前を通るだけのウォークスルー感覚で入室することができます。低価格ながら認証精度は99%以上と高性能な顔認証デバイスです。
顔の登録を避けたい従業員に対しても、ICカードでの併用運用も可能で、カードを本体にかざして入室することも可能です。
扉を制御するのに一番シンプルなテンキーシステムと同様に、「F-5830」は手軽に顔認証システムを導入することが可能ですので、是非ご検討ください。
顔認証の仕組みを知って誰もが安心して過ごせる環境を
自社セキュリティの強化を検討するには、顔認証システムが最適です。顔認証の仕組みであれば、なりすましの対策も可能で高いセキュリティレベルでのシステムを構築できます。
その上、従業員のストレスを最小限に抑えることができ、万一のオフィスのトラブルについても未然に防ぐことができます。
企業にとって大切な従業員が安心して働けるよう、顔認証システムを導入し、万全のセキュリティ環境で企業と従業員を守りましょう。
Q&A
Q:顔認証が選ばれる理由はなんですか?
A:顔をかざすだけで簡単に認証でき、セキュリティレベルが高いことが選ばれる要因です
Q:顔認証はどういう仕組みで判定していますか?
A:撮影した顔画像の目・鼻・口などの特徴や位置・大きさを分析したデータを登録して、本人認証を行います。
Q:顔認証システムには、どの程度の人数が登録できますか?
A:今回ご紹介した「F-5830」には、1,500人分の顔登録が可能です。機種によっては、10万人分の登録ができるものもあります。