監視カメラと防犯カメラの違いとは?目的・機能・選び方の違いを解説
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監視カメラ
- 2023.08.28
CONTENTS この記事でわかること
監視カメラと防犯カメラはよく似ているため、違いがわからない方も多いでしょう。セキュリティを向上させるために導入を検討している方は、自社にとってどちらが最適なのかわからず困惑しているかもしれません。
今回の記事では、監視カメラと防犯カメラの違いを解説します。設置場所や機能の違い、製品の選び方も紹介するので、導入を検討している方、両者の違いを知りたい方は参考にしてください。
監視カメラと防犯カメラの主な違いは定義・目的
監視カメラと防犯カメラの主な違いは、どのような目的で設置するかです。
監視カメラは、従業員や利用者を監視するほか、犯罪やトラブル、事件が起きた際の詳細な状況把握、交通量の計測、河川やダムの水量計測、地震や台風など自然災害の記録など、幅広い目的で設置されます。
湿度計測のためのサーモグラフィーがついた監視カメラもあり、情報収集のためにも使われています。
一方防犯カメラは、犯罪を防止する目的で設置されるのが一般的です。一軒家、マンションやオフィスのエントランス、駐車場、店舗などに設置されています。
どちらも防犯性を高めるために使われますが、より汎用性が高いのは監視カメラといえるでしょう。
監視カメラ・防犯カメラの最適な設置場所の違い
監視カメラと防犯カメラは目的が異なるため、設置に最適な場所も異なります。それぞれの役割に応じ、目的を果たすために最適な設置場所がどこか解説します。
監視カメラ|目立たず録画できるか
監視カメラは監視や記録が目的のため、目立たない場所に設置します。犯人がカメラの存在に気づかなければ、犯行の一部始終を録画でき、犯人特定の有力な手がかりとして活用できるでしょう。
カメラの機能によっては、不審者が侵入した段階で気づけるため、未然に犯罪を防止できる可能性も高まります。
また、顧客とのトラブルや、従業員の勤務態度も記録できます。監視したい対象に合わせ、より的確な設置場所を検討するとよいでしょう。
防犯カメラ|犯罪者の目に入るか
防犯カメラは未然に犯罪を防ぐのが目的なので、分かりやすい場所に設置します。窃盗や誘拐といった犯罪を起こす人間は、周囲の目を意識して見つからないよう行動します。その際に防犯カメラの存在に気づけば、犯行を思いとどまる可能性が高いでしょう。
また、防犯カメラとして設置されているものの中には、録画機能のないものや、ダミーカメラも存在します。抑止力として効果を発揮できればよいので「防犯カメラ作動中」と記載されたステッカーとダミーカメラでも問題ありません。
そのほか、人が通るとセンサーが反応し、ライトが点灯してカメラの存在をアピールする機能をもつ商品もあります。
監視カメラを設置する3つのメリット
監視カメラと防犯カメラとで迷ったら、犯罪や不正の抑止力にもなり、さまざまな記録にも使える監視カメラの設置を検討しましょう。監視カメラを設置するメリットは以下の3つです。
- 犯罪・不正への抑止力になる
- 犯罪・トラブル時の記録を残せる
- 従業員・利用者のモラル向上を促せる
それぞれ詳しく解説します。
メリット1.犯罪・不正への抑止力になる
監視カメラを設置して常に監視できれば、犯罪・不正を発見するだけでなく、未然に防げるようになります。カメラが設置されていると分かれば、見られている意識から行動を改める人が多いからです。
また侵入者や不審者の早期発見にもつながり、安全性の向上に貢献するでしょう。
メリット2.犯罪・トラブル時の記録を残せる
録画できる監視カメラを設置すれば、映像をデータとして残せます。犯人が監視カメラの存在に気づかなければ、犯行の一部始終が録画されているケースもあります。犯罪・トラブルが起きた際、証拠映像として利用可能です。
警察が犯罪を捜査する際も、監視カメラの映像が証拠として利用されています。映像だけでなく、音声も残せるカメラであれば、状況をより正確に検証できるでしょう。
また、従業員と客がトラブルになった際も、映像や音声の記録を検証すれば事実確認が可能です。証拠を残せれば、悪質なクレーマーへの対策にもなります。
メリット3.従業員・利用者のモラル向上を促せる
監視カメラで見られていると意識させられれば、従業員の不正防止・問題行動の抑制や、勤務態度の向上につながります。
加えて、ハラスメント問題の抑止力としても期待できます。実際に問題が起きてしまった際も、映像・音声の記録が残っていれば事実確認が可能です。
また、マンションや駐車場に監視カメラを設置すると、利用者のモラル向上にもつながります。ゴミのポイ捨てやいたずら行為、器物破損などの抑止効果も期待できるでしょう。
監視カメラ選びの4つのポイント
監視カメラを選ぶ際は、目的や設置場所に合わせて製品を選ぶ必要があります。製品選びのポイントとなるのは以下の4点です。
- カメラ機能
- 形状
- 録画方法
- その他の機能
それぞれ具体的に解説します。
ポイント1.カメラ機能
監視カメラには、アナログカメラとネットワークカメラの2種類があります。
アナログカメラ | ・同軸ケーブルでモニターやレコーダーに直接繋いで映像を送る ・導入費用を抑えられる ・データへの不正アクセスの心配がない ・配置場所が複数もしくは離れている場合は配線が複雑になる |
ネットワークカメラ | ・LANケーブルを使用しネットワーク経由でデータを送る ・導入費用が高くなる傾向がある ・複雑な配線工事が必要 |
設置場所や目的によって、どちらが向いているか異なります。特徴を把握したうえで製品選びをするとよいでしょう。
ポイント2.形状
監視カメラには、大きく分けて4つの形状があります。
バレット(ボックス)型カメラ | ・箱の形をしていて一目で監視カメラと分かるタイプ ・屋外で使用しやすい製品が多い ・1台では撮影範囲が限られるため複数台で設置されるケースが多い |
ドーム型カメラ | ・レンズ部分が円形のケースで覆われており撮影方向が分かりにくいタイプ ・目立ちにくく景観を損ねたくない場所にも利用される ・レンズが覆われているため耐水・耐塵・耐衝撃性を備えている製品が多い |
全方位カメラ | ・魚眼レンズを搭載しており360℃の監視が可能なタイプ ・店舗内にいる顧客数や人数が多いエリアなども把握できる |
PTZカメラ | ・水平回転(パン:P)、垂直回転(チルト:T)、拡大縮小(ズーム:Z)を遠隔操作できるタイプ ・専用コントロールやマウスを使用して操作し広範囲の監視が可能 ・自動追尾機能を搭載した製品なら自動で視点を変えて記録できる |
設置場所や目的によって、最適な形状は異なります。目的を明確にすれば、より最適な製品選びができるでしょう。
ポイント3.録画方法
監視カメラで撮影した映像を、どのように記録するかもチェックすべきポイントです。録画方法には以下の2通りがあります。
記録媒体への保存 | ・HDDやSSD、SDカードを利用する ・長時間の録画ならHDD、屋外に設置するなら衝撃に強いSSDなど、それぞれ特性がある |
クラウドへの保存 | ・インターネット上にあるクラウドに保存する ・レコーダーの近くにカメラを設置する必要がない ・外出先からでも映像を確認できる |
記録媒体は、容量に合わせて定期的に交換する必要があります。一方、クラウドはインターネット環境を整える必要があるほか、クラウドサービスを利用するランニングコストがかかる点に注意が必要です。
録画方法によって初期費用やランニングコストが変わるため、事前にチェックしましょう。
ポイント4.その他の機能
監視カメラにはさまざまな機能が搭載されており、製品を比較するポイントになります。設置場所や目的に応じて、以下のような機能を比較するとよいでしょう。
- 録画できる時間
- 映像の画質
- レコーダーの不具合の自動検知
- 画像解析
- 夜間撮影機能
- 光学ズーム機能
- 顔認証機能
録画できる時間や映像の画質によっては、監視カメラで撮影するデータを管理・運用しやすくなります。また、電灯のない道や消灯後のオフィスなど、暗い場所を撮影するのであれば、夜間撮影機能があると鮮明な映像が残せるでしょう。
より詳細な映像が必要な場合、光学ズーム機能を備えていると、映像を拡大しても画像が粗くならず内容を確認しやすくなります。顔認証機能を備えていれば、事前に登録した情報と照らし合わせ、映像の中から特定の顔を識別できます。
設置する場所や目的に対して十分な機能を備えているか、より活用しやすい機能はないか、検討するとよいでしょう。
監視カメラ設置に関わる法的制約・プライバシーの問題
監視カメラを設置する際、プライバシーの侵害に当たるのではないかと心配する声は少なくありません。どのような点に注意して設置すればよいか、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。ここでは、ポイントを詳しく解説します。
業務中の監視はプライバシー侵害には当たらない
まず、基本的に業務中は私的な時間とは考えられないため、カメラによる監視はプライバシー侵害に当たりません。
しかし、録画したデータを誰でも自由に閲覧できる状態はプライバシー侵害に当たるため、閲覧制限をかける必要があります。録画データの閲覧に資格を設ける、閲覧できる場所・時間帯を制限するといった方法が考えられます。
また、録画した映像を本来の目的以外に使用すると「個人情報の保護に関する法律」に違反する可能性があるため注意しましょう。
監視カメラに関する条例は自治体によって異なります。設置を検討する前に自治体の条例を確認すると安心です。
監視カメラ設置時の注意点
監視カメラを設置する際は、プライバシーを侵害しないための配慮が必要です。例えばトイレや更衣室の中への設置は問題になりやすく、出入り口に設置する場合も、内部が映らないよう画角や撮影範囲を確認しなければなりません。
屋外に設置する場合は、近隣の住宅やマンション、施設が映り込まないような配慮が必要です。近隣住民から、プライバシーを侵害していると訴えられる可能性があります。
また、監視カメラを設置する際は信頼関係を損ねる危険性があるため、従業員・利用者・近隣住民などへの事前周知を行うとよいでしょう。設置目的のほか映像の利用目的・管理方法なども定め、周知できると安心してもらえます。
監視カメラ・防犯カメラの最新技術
監視カメラ・防犯カメラの性能・技術は日々進化しています。
最新のネットワークカメラには、AI機能を搭載しているカメラがあります。顔認証システムを利用し、登録されていない人物の入室拒否や、未登録者の検出が可能です。車両番号も識別でき、不審車両の侵入を検知してアラーム出力を行えるシステムもあります。
また、万引きの常習犯やクレーマーなど、あらかじめ情報を登録しておくと、来訪した際に自動的に注意喚起を行うシステムもあります。さらに、新しい製品に交換しなくても、従来の監視カメラ・防犯カメラと連動できるシステムもあるため、導入コストを抑えつつ新しい技術を利用できるかもしれません。
監視カメラと防犯カメラは違いを理解しベストな商品を選びましょう
監視カメラと防犯カメラは、製品として比較すると大きな違いはありません。それぞれ設置する目的に応じて、監視カメラと呼ぶか防犯カメラと呼ぶか異なります。より汎用性が高く、さまざまな目的に対応できるのが監視カメラです。
設置場所や目的に応じて選ぶべき製品が異なるため、何のために、どこに設置したいのかを明らかにしたうえで、製品選びをするとよいでしょう。
どの製品が適しているか判別が難しい場合は、メーカーに問い合わせてみるのも方法の一つです。目的や設置予定場所を伝えて相談すれば、具体的な製品についても詳しく説明してもらえるでしょう。
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Q&A
Q.監視カメラと防犯カメラの違いは何ですか?
A.製品としては大きな違いはありません。設置する目的・場所によって、監視カメラと呼ぶか防犯カメラと呼ぶかが異なります。
Q.より汎用性が高いのは監視カメラと防犯カメラのどちらですか?
A.汎用性が高いのは監視カメラです。犯罪・不正の抑止力になるほか、さまざまな記録にも利用できます。
アートのネットワークカメラ&レコーダー
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ポイント1
明るさにかかわらず鮮明な映像を残せる高解像度のネットワークカメラ
ポイント2
複数のネットワークカメラと接続可能な大容量ネットワークビデオレコーダー