セキュリティ対策の決定版!生体認証の種類と顔認証のメリットを紹介
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顔認証システム
- 2023.08.1
CONTENTS この記事でわかること
テレビや新聞の報道で時折目にするのが、企業や公的機関などの情報漏洩の問題です。情報が外部に流出すると甚大な被害をもたらすため、情報漏洩が起こらないようセキュリティ対策を講じる必要があります。
今、セキュリティ対策の一つとして注目を浴びているのが、顔認証システムなどの生体認証です。この記事では、セキュリティ対策以外にも利便性の向上などメリットの多い生体認証の種類をまとめ、生体認証のなかでも導入しやすい顔認証システムについて紹介します。セキュリティ向上に関心のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
生体認証とは?
生体認証とは、指や顔といった身体の特徴を利用して本人かどうか識別するシステムです。IDやパスワード、ICカードやQRコードによる認証と比べ、人に紐づく認証であるため、なりすましなどの危険がなく高いセキュリティが期待できます。
近年では、スマートフォンのロックを解除する際に指紋認証や顔認証が用いられ、身近なものになってきています。
さまざまな生体認証の種類
さまざまな種類がある生体認証は、識別に利用する身体の特徴ごとに使用方法や活用場面が異なります。ここでは、下記の代表的な認証方法についてまとめます。
- 指の模様で識別する指紋認証
- 顔の輪郭などで識別する顔認証
- 血管の分岐や方向で識別する静脈認証
- 目の中の模様で識別する虹彩認証
- 手のひらの文様で識別する掌紋認証
- 声の特徴で識別する声紋認証
- 耳の形で識別する耳形認証
- 遺伝子情報で識別するDNA認証
- 人の癖や習性で識別する行動認証
指の模様で識別する指紋認証
指紋による個人の特定は、刑事番組での証拠収集のシーンにも登場し、最も身近な認証方法といえます。比較的古くから利用されている方式で、ほかの認証方法と比べて実績が豊富です。スマートフォンのロック解除や、空港での本人チェックなど利用される場面も多いです。
他人の指紋による誤認はほぼありませんが、指が汚れていたり指紋が薄くなっていたりするとうまく認証できません。また、指を接触させる必要があるため、衛生面が気になる方は抵抗を感じてしまうでしょう。
顔の輪郭などで識別する顔認証
顔認証は、カメラで撮影した顔の画像から、輪郭や目・鼻の位置関係などを解析し、識別する方法です。スマートフォンのロック解除や、ライブ会場などでの入場者確認でも使われています。
最近では、JR大阪駅にて顔認証改札機の試験運用が始まっています。カメラがあれば専用の機材がなくても導入できるため、コストを抑えて生体認証を取り入れる場合に最適です。また、非接触での認証が可能であるため衛生面でも安心です。
血管の分岐や方向で識別する静脈認証
手のひらや指の血管の分岐・方向は人によってパターンが異なります。この血管のパターンで識別を行うのが静脈認証です。指紋認証と比較して、精度が高く偽造が困難であるという特徴があります。
銀行のATMで採用されている場合があり、利用した経験がある方もいるでしょう。認証する装置に直接押し付けるタイプと、少し離れた場所から撮影して識別するタイプがあります。
目の中の模様で識別する虹彩認証
瞳は、中心部にある黒い部分の瞳孔と、その周辺にある虹彩の2つの部分に分けられます。虹彩は、異なる細いしわが刻まれており、そのパターンは人によって異なります。その違いで識別する認証方法が虹彩認証です。
虹彩は、基本的に生まれてから2年ほどで成長が止まり、そのあとはほとんど変化しないといわれているため、高い認証精度が期待できます。一方で、認証するための機材のコストが高く、現状では金融機関や大手メーカーを中心に特定の分野だけの利用に限られています。
手のひらの文様で識別する掌紋認証
掌紋とは、指紋と同様に一生変わらない手のひらの皮膚の文様で、人によって異なります。この模様を利用したのが掌紋認証です。使用方法は静脈認証と似ており、手のひらの画像から掌紋や関節の特徴量を抽出し、事前に登録しておいた掌紋データと照合を行います。
手のひらをかざすだけで手軽に認証できますが、指紋認証と比較すると装置が大きくなってしまう点が課題です。
声の特徴で識別する声紋認証
人の声にはそれぞれ特徴があります。口やのどの形によって異なる音が生み出され、それぞれに特徴的な周波数があります。
これを利用したのが声紋認証で、マイクがあれば認証可能です。ただし、騒がしい場所での利用や、体調不良で声が変わってしまう場合など、声紋認証が正しく識別できない場合があるため注意が必要です。
耳の形で識別する耳形認証
耳の形で識別する耳形認証は、それほど一般的ではありませんが、犯罪捜査では利用される場合があります。加齢や化粧による影響を受けにくいため、高い精度での認証が期待できます。
指紋や掌紋のように汚れによる影響も少なく、カメラで撮影するのみで利用できるため、その手軽さも特徴です。
遺伝子情報で識別するDNA認証
DNAは、人体の設計図とも言われており、犯罪捜査などでも個人を特定する際に利用されています。髪の毛や爪など体のわずかな部分で認証できるのが特徴です。
DNAの情報量は膨大であるため、解析と識別に要する時間はほかの生体認証よりも長くなります。そのため、瞬時に識別を行いたい場合には適していません。
人の癖や習性で識別する行動認証
筆跡や歩き方、パソコンを使用する際のキーボードの使い方や、タブレットを使用する際の指の動かし方など、個人の癖が無意識に現れる行動があります。この行動の癖を利用した認証方法が行動認証です。
筆跡による認証は、印鑑の使用が多い日本では一般的ではありませんが、サイン文化の国ではなじみのある認証方法です。
顔認証システムのメリット
ここまで生体認証の種類についてまとめました。生体認証のなかでも、顔認証システムはレベルの高いセキュリティが確保でき、目的に合わせて利用しやすいため、さまざまな場面で導入が増えています。ここからは、そんな顔認証システムのメリットをまとめます。
- 非接触であるため衛生的である
- 専用の機械が不要なため導入コストを抑えられる
- ほかの生体認証と比較して高いレベルのセキュリティ
メリット1:非接触であるため衛生的である
人の顔をカメラで撮影して識別する顔認証システムは、人から離れて認証できるため指紋認証のように装置に接触する必要がありません。そのため、衛生面が気になる方でも安心して利用できます。
また、非接触の強みを活かして防犯カメラと組み合わせれば、対象者に気づかれずに認証する運用も可能です。
メリット2:専用の機械が不要なため導入コストを抑えられる
カメラさえあれば簡単に導入できるシステムも増えており、初期費用を抑えて利用できます。大きな工事も不要であるため、業務を止めずに導入できるでしょう。
スマートフォンのロック解除にも使用されているように、顔認証システムは幅広く使用されています。活用データが多いため、技術の進歩が目覚ましいのも特徴です。
メリット3:ほかの生体認証と比較して高いレベルのセキュリティ
汚れや騒音などによって精度が落ちてしまうほかの生体認証と比べ、環境の影響を受けにくいのが顔認証システムの特徴です。特別な装置を導入せずとも、なりすましによる利用はまず不可能で、高いレベルのセキュリティを手軽に得られる方法といえるでしょう。
顔認証システムの注意点
顔認証システムにはメリットが多くある一方、導入時に注意すべき点もあります。ここでは、顔認証システムの注意点をみていきましょう。
- 顔写真など個人情報の管理が必要
- 顔が隠れていると認証できない
- 認証の速度が製品によって大きく異なる
注意点1:顔写真など個人情報の管理が必要
顔認証システムでは、撮影された顔写真とあらかじめ登録しておいた顔の情報とを照合して識別します。登録された顔の情報は、個人情報扱いとなるため、外部への流出や無断使用を禁止しなければなりません。顔認証システムの導入と合わせて、個人情報の管理について確認しましょう。
注意点2:顔が隠れていると認証できない
顔認証システムの方式によっては、登録時の顔の情報と現在の顔の情報に違いがあると認証できない場合があります。例えば、マスクをして顔が隠れていたり、普段と異なるメイクや髪型をしていたりする場合です。利用状況に合わせて、顔のどの部分で認証されるかシステムの仕様に注意しましょう。
注意点3:認証の速度が製品によって大きく異なる
顔認証システムの利用場面を検討するうえで重要なのが認証速度です。例えば、企業のエントランスで大人数が利用する場合に、認証速度が遅くては行列ができてしまいます。認証精度と合わせて、認証速度についても事前に注意する必要があるでしょう。
顔認証システムの活用事例
ここでは、具体的にどのような場面で顔認証システムが利用されているか紹介します。
活用事例1:オフィス・マンションなどの入退室管理
オフィスやマンションのエントランスに顔認証システムを導入すれば、入退室時のセキュリティの向上につながります。ICカードや鍵を用いた入退室は、本人以外でも認証が可能で不審者の入室を許してしまう場合があるでしょう。
しかし、顔認証システムであれば、本人以外の認証が困難であるため、高いレベルのセキュリティを達成できます。
活用事例2:受験やイベント時のなりすまし防止
高校・大学の受験時や、コンサートなどのイベント時に問題になるのが、本来の受験生とは別人による替え玉受験や、購入者とは異なる人による入場です。受験の登録やチケット購入時に、顔写真の登録を必須にして顔認証システムを利用すれば、これらのなりすましを防止できます。
活用事例3:病院や介護施設での見守り
病院や介護施設の利用者が、人知れず外出してしまい事故につながるケースがあります。そこで、施設の出入り口と顔認証システムを連携させれば、利用者が無断外出した際にアラームを発報するなどして、タイムリーな危機管理ができます。
また、利用者の家族などの顔写真を登録すれば、未登録の方が来た場合に警告を発するなど、安心した施設運用が可能です。
顔認証システムだけで不十分な場合はほかの認証システムと併用可能
顔認証システム単体でも、十分に高いレベルのセキュリティを確保できますが、別の認証システムと併用すれば、さらにセキュリティを強化できます。
例えば、ICカードによる認証と組み合わせれば、入退室は顔認証システムで管理、室内の装置の利用をICカードで認証するなどしてより細かい認証レベルの設定ができるでしょう。
生体認証の種類を理解し顔認証システムなどの導入でセキュリティを向上させよう
ここまで、生体認証の種類について解説し、顔認証システムのメリットや注意点、活用事例についてまとめました。
なかでも顔認証システムは、高いレベルのセキュリティが求められるなかで、導入コストを抑えられるなどメリットの多い認証システムです。生体認証について正しく理解し、最適な認証システムを導入して、セキュリティレベルを向上させましょう。
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Q&A
Q:生体認証の特徴は何ですか?
A:指や顔といった人に紐づいた情報によって認証する高いセキュリティレベルが特徴です。
Q:顔認証を取り入れるメリットを教えてください。
A:顔認証システムは、専用の機材が不要であるため導入コストを抑え、高いセキュリティレベルを実現できます。また、非接触であるため、衛生面でも優位性があります。
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