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共連れ対策ができるアンチパスバックとは?メリット・デメリットを解説!

  • 共連れ対策ができるアンチパスバックとは?メリット・デメリットを解説!

    入退室管理システム

  • 2023.12.5

アンチパスバックは、入退室管理システムのセキュリティ機能です。共連れ対策として効果的で、セキュリティ強化につながります。しかし、利用時には注意点があるため、機能の特徴を理解してから利用しましょう。

本記事では、アンチパスバックのメリットやデメリットなどを紹介し、グローバルアンチパスバックについても解説します。また、入退室管理システムの選び方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

共連れを防ぐ「アンチパスバック」とは

アンチパスバックは、入室した記録がない場合は退室ができなくなる機能です。扉の入室側と退室側に設置した認証リーダーで入退室の記録をチェックし、不正な入退室がないか確認できる仕組みです。入室の記録がない人物が退室しようとした場合に、発見しやすくなります。

入退室管理では、不正な入退室への対策が必要不可欠です。認証システムを導入しても、共連れへの対策が不十分な場合は、部外者が認証せずに入室できる可能性があります。そのため、アンチパスバックを利用した対策が大切です。

アンチパスバックの利用例

共連れには、部外者が不正に侵入するケースと、内部の人物が許可のない人物を不正に入室させるケースがあります。前者の場合は、部外者が共連れで不正な入室に成功しても、アンチパスバックにより退室できなくなるため、盗難や情報漏えいを阻止できます。

また、後者の場合では、ICカードなどの貸し借りによって別の人物を入室させようとするケースもありますが、入室の記録がある状態では再度入室しようとしてもできない仕組みのため、内部で起こる不正にも対応できます。

どこからでも退室できる「グローバルアンチパスバック」とは

アンチパスバックは、入室した扉からのみ退室できる仕組みです。一方、グローバルアンチパスバックは、入室した扉以外からでも退室できるため、複数の扉から入退室できる構造の建物で役立ちます。

グローバルアンチパスバックのメリットは、1つの扉ではなく複数の扉を含むエリアに対して、共連れ対策ができる点です。エリアに入室した記録があれば、エリア内のどの扉からでも退室できるため、利用しやすい環境下で共連れ対策ができます。

アンチパスバックのメリット

アンチパスバックのメリットを2つ紹介します。アンチパスバックのメリットは、低コストで利用できる点共連れの抑制やセキュリティ強化につながる点です。それぞれについて詳しくみていきましょう。

メリット1.安価でセキュリティを強化できる

アンチパスバックは、セキュリティ機能の1つとして入退室管理システムに備わっているケースが多いため、利用しやすい機能です。

新しいシステムや設備などを追加する必要がなく、安価でセキュリティ強化ができます。アンチパスバックを利用する際に必要なのは、扉に設置する認証リーダーのみのため、低コストでセキュリティ対策をしたい際に便利な機能です。

メリット2.情報漏えい防止や共連れの抑制につながる

アンチパスバックは、共連れで入室した部外者の退室を防げるため、情報漏えい対策になります。不正な入室を許してしまった場合でも、情報の持ち出しなどが起きる前に阻止できる可能性が高まります

また、従業員同士の共連れの抑制にも効果的です。入退室管理システムの導入後は、認証の手間を省くために、従業員同士で共連れが行われる可能性があります。しかし、アンチパスバックの利用を周知しておくとセキュリティ意識が高まり、共連れの抑制につながるでしょう。

アンチパスバックのデメリット

アンチパスバックのデメリットを2つ紹介します。アンチパスバックだけでは共連れを防ぎきれない点ミスで共連れ入室してしまった場合は注意が必要な点について、詳しくみていきましょう。

デメリット1.共連れが起こる可能性はゼロではない

アンチパスバックは、完全に共連れを防げる機能ではないため注意が必要です。例えば、入室を許可された人物が、意図的に部外者を共連れ入室させた場合は、不正を発見できない可能性があります。

また、共連れで入室した部外者が退室時も共連れを行った場合も、システムでは検出できず見逃してしまう可能性があるため注意しましょう。

デメリット2.入室時のミスで退室できなくなる可能性がある

不正の意図がなく、不意に共連れ入室してしまった場合も、退室時に認証を利用できないため注意が必要です。例えば、複数の従業員が入室する際に、認証を行った人物に続いて何気なく入室してしまうケースがあるかもしれません。

また、入室時の認証に必要なICカードや暗証番号を忘れてしまい、認証済みの人物と一緒に入室した場合も、入室記録がないため1人では退室できません。さらに、入退室の記録と矛盾した行動を取ると、不正を疑われる可能性があるため注意しましょう。

共連れ対策を強化するためには?

アンチパスバックには、共連れに対するセキュリティ効果がありますが、共連れが起きる可能性が残るため不安を感じる方もいるでしょう。共連れ対策を強化したい場合は、ほかのセキュリティ機能や設備を組み合わせて利用するのがおすすめです。

例えば、1人ずつ通行しなければならないセキュリティゲートを設置したり、映像で入退室時の行動を記録できる監視カメラを設置したりする方法があります。複数のセキュリティ対策を組み合わせて、共連れを減らしましょう。

入退室管理システムの選び方6選

ここでは、入退室管理システムの選び方を紹介します。製品を選ぶ際は、セキュリティ機能・システムのタイプ・設置方法・認証方法・連携できるシステム・サポート体制に着目して、自社の導入目的に合うものを選びましょう。

1.アンチパスバック以外のセキュリティ機能で選ぶ

入退室管理システムには、アンチパスバック以外にもさまざまなセキュリティ機能が備わっています。自社のセキュリティ対策に必要な機能や、業務効率化に役立つ機能から製品を選びましょう。

例えば、複数の認証方法を組み合わせて利用できるマルチ認証、入室できる人物を制限できるアクセスレベル設定などは、高いセキュリティが必要な場所で役立ちます。必要なセキュリティレベルに合わせて機能を選びましょう。

2.システムのタイプで選ぶ

入退室管理システムには、オンプレミス型クラウド型の2つのタイプがあります。システムのタイプによって、システムの管理方法や管理者の業務が異なるため、管理のしやすさや業務負担などを考慮して製品を選びましょう。

オンプレミス型は、管理アプリケーションを自社のパソコンにインストールし、自社で管理を行うタイプです。クラウド型は、クラウドサーバーにあるシステムを使い、パソコンやスマートフォンからシステムを管理できます。

3.設置方法で選ぶ

入退室管理システムは、扉の鍵に後付けするタイプ鍵を交換するタイプの2種類に分けられます。後付けするタイプは扉を傷つけず導入できますが、鍵を交換するタイプは扉を切り抜くなどの工事が必要なため、扉への工事が可能か確認しましょう。

また、設置方法によって工事にかかる期間やコストが異なります。工事の内容やスケジュールなどを確認し、システムの導入にかかる時間などを把握すると、スムーズに導入できます。

4.認証方法で選ぶ

扉を解錠するための認証方法は、テンキー・ICカード・スマートフォン・生体認証から選べます。認証を利用する人数や必要なセキュリティレベルに合わせて、使いやすい認証方法を選びましょう。

例えば、従業員が多い場合は、入力に時間がかかるテンキー認証よりも、素早く認証できるICカード・スマートフォン・生体認証などが便利です。また、高いセキュリティが必要な場所では、盗難や偽造などリスクが低い顔認証や指紋認証などを選びましょう。

5.ほかのシステムと連携できるかで選ぶ

入退室管理システムの中には、ほかのシステムと連携できる製品があります。例えば、勤怠管理システムと連携すると、入退室の記録から正確な勤務時間を把握できます。また、火災報知器と連携できる製品は、火災時には認証不要で入退室ができるため災害への対策が可能です。

システムを組み合わせて利用できると、セキュリティ強化だけでなく、業務の効率化にもつながるため、どのようなシステムと連携できるかチェックしましょう。

6.サポート体制で選ぶ

製品によっては、サポートが充実しているものがあります。入退室管理システムの導入時や運用中にトラブルが起きた場合でも、サポートを受けられる製品であれば安心して利用できるでしょう。

製品のサポート体制は販売業者によって異なります。トラブルで入退室管理システムが停止するとセキュリティが脆弱になるため、トラブルが起きた際の対策も大切です。製品を選ぶ際は、サポート内容やサポート期間などを確認し、迅速にサポートを受けられる製品を選びましょう。

入退室管理システムをスムーズに導入するためには?

入退室管理システムは、システムのタイプやセキュリティ機能、認証方法などによって使いやすさやセキュリティレベルが異なります。

スムーズにシステムを導入するためには、導入目的を明確にしましょう。どのような機能が必要か、どの程度のセキュリティが必要かを明確にすると、自社に最適な機能が備わった製品を見つけやすくなります。

アンチパスバックなどの機能を活用し自社に合った入退室管理をしよう!

アンチパスバックは、情報漏えいや共連れの抑制に効果的です。しかし、アンチパスバックを利用しても共連れが起きる可能性はあるため、共連れ対策を強化したい場合は、ほかのセキュリティ機能や設備の併用を検討しましょう。例えば、セキュリティゲートや監視カメラなどの設置がおすすめです。

また、入退室管理システムを選ぶ際は、必要なセキュリティレベルや効率化したい業務などを明確にしましょう。本記事で紹介した入退室管理システムの選び方を参考に、使いやすいシステムを導入してください。

アートでは、ICカードや生体認証など多彩なリーダー対応の入退室管理システム「X-LINE」をご用意しております。セキュリティ機能も充実しているので、ぜひご確認ください。

Q&A

Q:アンチパスバックのメリット・デメリットを教えてください。

A:アンチパスバックのメリットは、低コストで利用しやすい点、情報漏えい対策や共連れの抑止効果がある点です。デメリットは、完全には共連れを防止できない点、ミスで共連れ入室してしまった場合も退室できなくなる可能性がある点です。

Q:アンチパスバックとグローバルアンチパスバックの違いはなんですか?

A:アンチパスバックは、入室した扉からのみ退室できます仕組みですが、グローバルアンチパスバックは入室した扉以外の場所からでも退室できます。扉が複数ある建物では、グローバルアンチパスバックが便利です。

アートの入退室管理システム「X-LINE」

  • ポイント1

    異なる認証方式を組み合わせたマルチ認証

    ポイント2

    FeliCa・MIFAREⓇに対応したリーダー

    ポイント3

    共連れ検出や2名同時認証などセキュリティ機能も充実

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