顔認証の精度が高い理由とは?顔認証の仕組みや特徴も詳しく解説
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顔認証システム
- 2023.07.7
CONTENTS この記事でわかること
顔認証はスマートフォンのロック解除から空港の出入国審査まで、幅広いシーンで利用されています。厳重なセキュリティが必要な場所の本人確認で利用されているため、顔認証の精度は高いといえるでしょう。しかし、実際にはどの程度の精度なのか不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、顔認証の精度の高さについて詳しく解説します。顔認証の仕組みや特徴、顔認証が抱える問題点なども解説するので、顔認証を導入するか迷っている方はぜひ参考にしてください。
顔認証はどんな仕組み?
顔認証は、目や鼻の位置などの本人の特徴をデータ化し、事前に登録されたデータと照合して認証するシステムです。カメラで取り込んだ画像や映像から顔を検出し、事前に登録した顔のデータと照合して認証を行います。照合は瞬時に行われるため、認証に時間がかからずスムーズに利用できます。
顔認証の特徴は他人による不正利用が起こりにくい点です。顔のパーツは個人特有のものであり、他人がなりすまして認証するのはほぼ不可能です。そのため、顔認証はさまざまな場所で本人確認の方法として採用されており、高いセキュリティ対策が必要なシーンで役立っています。
顔認証が「高精度」といわれる理由
金融機関や空港などの高いセキュリティが求められる場所では、本人確認時に顔認証が採用されています。前述の通り、顔認証は個人特有の顔の特徴を認証に活かしており、他人に不正利用される確率が低いのが特徴です。そのため、顔認証の認証精度は高いといえます。
ここでは、顔認証に用いられるAI技術について解説し、具体的な利用例を取り上げつつ、顔認証が高精度といわれる理由について説明します。
理由1.ディープラーニングが使われている
顔認証にはAI技術のディープラーニング(深層学習)が利用されています。ディープラーニングとはAIの学習機能を指しており、AIは学習を活かして高度な顔の判別を行っています。
AIはさまざまな人物の顔のデータを読み込み、人間の顔の判別に必要な情報を学習しているのです。そのため、本人確認時に顔の特徴をしっかりと捉えて的確にデータ照合を行い、精度の高い認証ができます。認証時には目や鼻の位置関係などの特徴を照合し、特徴の数が一定以上であれば本人だと判断されます。
ディープラーニングは、人間の判別能力以上に高精度な識別を可能にする技術なのです。
理由2.金融機関や出入国審査で使われている
顔認証は、金融機関や空港の出入国審査で本人確認時に利用されています。金融機関は厳重なセキュリティ対策が必要であり、書類や印鑑を使った本人確認が基本です。しかし、近年では高精度な顔認証を取り入れたペーパーレス・印鑑レスな取引が始まっており、顔認証の精度の高さが利便性の向上に役立っています。
また、厳格な審査や本人確認が必要な空港の出入国審査では、顔認証による手続きの簡略化が行われています。空港の出入国審査への顔認証導入は国による決定のため、顔認証の精度の高さが評価されていることがうかがえるでしょう。
顔認証の認証方式による精度の違い
顔認証には2D認証と3D認証があり、認証方式によって精度の高さが異なります。また、顔認証時に必要となるカメラの種類も異なるため、事前にチェックしておく必要があるでしょう。
ここでは、それぞれの認証方式の特徴を説明し、精度が異なる理由と高精度な認証方式について解説します。
画像を取り込む2D認証
2D認証は、カメラから平面の顔画像を取り込み、目・鼻・口など顔の特徴を検出して照合する認証方式です。2D認証では特殊なカメラが不要なため、汎用性が高く低コストで導入しやすいのがメリットです。
しかし、セキュリティに脆弱性がある点に注意しましょう。例えば、他人が顔写真を使って不正に認証できたり、夜間や照明が少ない場所では認証できなかったりするケースがあります。また、髪型や化粧の変化などで認証されにくいケースがある認証方式でもあります。これらは、平面画像を利用するシステムのため起こるトラブルです。
赤外線カメラを使う3D認証
3D認証は、赤外線センサーを搭載したカメラを利用し、顔の奥行きなどを立体的に捉えてデータ化し認証する方式です。3D認証の特徴は、赤外線によって暗い場所でも認証でき、髪型や化粧にも左右されずに認証できる点です。顔写真による不正な認証も防げるため、2D認証よりも精度が高いといえます。
ただし、3D認証の製品を導入する際は、赤外線センサー付きの専用カメラが必要です。そのため、導入時には初期コストがかかる点、また専用カメラは一般的なカメラよりも大型になりやすい点に注意しましょう。
顔認証の問題点は?認証できないケース3選
顔認証の技術は年々進歩しており認証精度が高い製品が多いものの、いくつか技術的な問題点があります。利用シーンによっては認証されにくかったり、登録データの再登録が必要になったりするケースがあるのが現状です。
ここでは、顔認証の精度や製品の性能によって、認証できない可能性がある3つのケースについて説明します。
ケース1.顔の経年変化
顔は経年変化するため、顔認証の製品によっては年月が経つと認証されにくくなるものがあります。経年変化でほうれい線などの皺が増えると、AIが本人を判別できなくなる可能性があります。例えば、顔認証を10年以上使い続けていると、ある日突然認証できなくなる日が来るかもしれません。
経年変化で顔認証ができなくなった場合は、データの再登録が必要です。頻繁にデータの再登録が必要になるわけではありませんが、登録者が多い企業などでは再登録に手間がかかってしまうケースも考えられます。顔認証の長期運用を考えている場合は、経年変化に強い製品を導入するようにしましょう。
ケース2.カメラの設置環境
カメラの設置場所によっては、カメラが日光の影響を受けてしまい、日によって顔認証の精度に差が出るケースがあります。例えば、逆光で顔がうまく認識されなかったり、夜間に顔認証ができなくなったりする場合もあるでしょう。
このように、顔認証はカメラが逆光の影響を受けたり、暗い場所に設置されていたりすると、鮮明な顔のデータを検出できなくなってしまうため、カメラの設置環境には注意が必要です。カメラの設置環境に応じて、カメラが日光の影響を受けないようにカバーを取りつけたり、夜間照明を設置したりして対応しましょう。
ケース3.マスクや眼鏡などの着用
顔の認証時にマスクや眼鏡を着用していた場合、製品によっては認証できないケースがあります。特に、登録時に何も身につけていない場合に起こりやすいトラブルです。また、登録データと髪型が異なっていたり帽子を被っていたりした場合も、認証されにくいケースがある点にも注意しましょう。
とはいえ、身につけるものが変わっても問題なく認証できる製品もあるため、できる限りマスクや眼鏡などの着用に対応した製品を選ぶと安心です。
高精度な顔認証の製品を選ぶためのポイント
顔認証は、製品によって認証精度が異なります。高精度な製品を導入したい場合は、利用シーンに合わせて最適な性能を持った製品を選びましょう。
スムーズに顔認証を利用するためには製品選びが大切です。ここでは、高精度な製品を選ぶためのポイントを3つご紹介します。
ポイント1.2D認証か3D認証かチェックする
2D認証よりも3D認証の方が顔認証の精度は高いため、より高精度な製品を必要とする場合には3D認証の製品を選びましょう。3D認証であれば顔写真を悪用した不正な認証が起こらず、正確な本人確認ができます。そのため、高いセキュリティが必要な場所でも安心して利用できるでしょう。
ただし、3D認証の場合は赤外線センサーを搭載した専用カメラが必要です。一般的なカメラでは利用できないため、初期コストがかかる点に注意しましょう。また、赤外線センサーを搭載したカメラは、一般的なカメラよりも大型で値段も高い傾向があります。
ポイント2.身につけるものが変化しても対応できるかチェックする
前述した通り、顔認証の製品によってはマスクや眼鏡、帽子などを着用した場合に認証されにくいものがあります。そのため、製品の性能を確認する際には、マスクや眼鏡などを着用していても問題なく認証できるかをしっかりと確認しましょう。
また、カメラの設置場所が日光の影響を受けやすい場所の場合は、明暗の変化に対応できる製品かどうかも合わせて確認しておくと安心です。身につけるものや日光の影響に左右されず、毎日スムーズに利用できる製品を導入しましょう。
ポイント3.第三者による評価をチェックする
顔認証の技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施しているベンチマークテスト(FRVT)で評価されます。ベンチマークテストでは、認証エラー率をはじめとしてさまざまな項目においてテストが実施されています。
ベンチマークテストの結果は、第三者による評価として製品選びの参考になるでしょう。高精度な顔認証を導入したい場合は、ベンチマークテストを受けている製品を選ぶのも重要なポイントです。また、製品がどのようなテストを受けているか、内容をチェックしてみるのもおすすめです。
高精度な顔認証をセキュリティ対策に活かしましょう!
顔認証は政府が本人確認の方法として取り入れており、高いセキュリティ効果が認められている認証方法です。また、AI技術の進歩により、高精度な認証ができるシステムでもあります。システムが瞬時に認証を行うため、スムーズに正確な本人確認が可能です。
一方で、顔認証の問題点は、利用シーンやカメラの設置環境によっては認証できない可能性がある点です。しかし、高精度な製品の中には環境の変化に強いものもあります。顔認証を導入する際は利用シーンに対応できる製品を選び、セキュリティ対策に活かしましょう。
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Q&A
Q:顔認証の精度は常に一定ですか?
A:顔認証の精度は、製品や利用する環境によって変化します。例えば、暗い場所や逆光の影響で顔を認識できなかったり、マスクや眼鏡の着用で認証率が下がったりする製品があります。
Q:高精度な顔認証の製品はどのように選べばよいですか?
A:顔認証システムは顔を認証する精度が高いですが、認証方式や製品の性能によって精度に差があります。高精度の製品を選びたい場合は、認証精度が高い3D認証の製品や、身につけるものが変化しても問題なく認証できるものを選びましょう。