顔認証システムの仕組みを徹底解説!メリットや身近な利用例もご紹介
-
顔認証システム
- 2023.06.20
CONTENTS この記事でわかること
顔認証は顔のパーツの位置をデータ化し、そのデータを認証に利用するシステムです。近年では、セキュリティ対策としてさまざまなシーンで顔認証が利用されています。しかし、特徴をしっかりと理解してから利用したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、顔認証の仕組みについて詳しく解説します。認証精度やセキュリティレベルなどの特徴、また、顔認証の身近な利用例もご紹介します。
顔認証の仕組みと3つの特徴
顔認証は生体認証の一つで、個人特有の目・鼻・口などの位置をデータ化し、そのデータを利用して認証するシステムです。カメラで取り込んだ顔のデータと、登録済みのデータを照合して認証する仕組みとなっています。
ここでは、顔認証についての特徴を3つご紹介します。
特徴1.正確に認証できる
顔認証には高度なAIが利用されており、登録済みの顔のデータと認証時の顔を照合する技術は進化し続けています。そのため、システムによる顔の認証精度は高く、ほぼ正確に本人確認ができる点が大きな特徴です。カードキーや暗証番号による本人確認の場合は不正が起こる可能性がありますが、顔認証は高い精度で本人確認が可能です。
ただし、製品によって顔の認証精度が異なる点には注意しましょう。とはいえ、多くの製品は認証率が90%を超えるため、顔認証の認証精度は全体的に高いといえます。
特徴2.認証にかかる時間が短い
顔認証は認証にかかる時間が短いのも特徴です。1秒程度で認証が完了するためスムーズに利用できます。さらに、カードキーなどの物理的な鍵を準備する必要もありません。
また、認証速度が速い製品の中には、ほぼ立ち止まらずに認証できるものがあります。複数人を一度に認証できる製品もあり、多くの人物が利用する場所や特定の時刻に混雑する場所でも快適に利用できるでしょう。
特徴3.セキュリティレベルが高い
顔認証は本人の顔のパーツを“鍵”として利用するため、他人によるなりすましやデータ改ざんなどの不正がほぼ起こりません。そのため、高いセキュリティが必要な場所での利用に適しています。
例えば、金融機関や国際空港では本人確認の際に顔認証が利用されています。どちらも確実な本人確認が重要となる施設のため、顔認証のセキュリティレベルの高さがうかがえるでしょう。
顔認証の種類
顔認証システムは「エッジ方式」と「クラウド方式」の2種類に分けられます。種類によって顔認証の速度やランニングコストなどが異なるため、利用シーンや導入目的に応じて適した方式を選びましょう。
ここでは、データ通信方法の違いなどの特徴をご紹介し、それぞれの違いについて解説します。
処理速度が速い「エッジ方式」
「エッジ方式」は、顔認証システムを搭載したエッジデバイスを使用して認証する方式です。クラウドとデータ通信しないため、顔認証の処理速度が速いのが特徴です。そのため、利用者がストレスなく利用しやすい方式となっています。
また、認証時には必要な画像のみを使用するため、通信コストを抑えられる点もメリットです。よって、システムのランニングコストが気になる場合に取り入れやすい方式といえるでしょう。ただし、専用機器が必要なため「クラウド方式」に比べて導入コストが高く、管理に手間がかかる点に注意が必要です。
運用しやすい「クラウド方式」
「クラウド方式」は、カメラで撮影した映像を直接クラウドに送信して認証する方式です。クラウド環境を利用して、顔認証を入退室管理システムなどのほかのシステムと連携させて利用できるのが特徴です。そのため、すでにクラウド環境でほかのシステムを運用している場合は「クラウド方式」の顔認証を導入しやすいでしょう。
しかし、クラウドと通信する必要があるため、データの通信コストがかかるデメリットがあります。また、インターネットを介してデータのやり取りを行うため、ハッキングやデータ流失などのリスクがある点にも注意しなければなりません。
顔認証の認証方式
顔認証システムには「2D認証」と「3D認証」の2つの認証方式があり、認証精度やセキュリティ上の特徴が異なります。
ここでは、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。認証方式によって顔認証時に必要なカメラの種類も異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで製品を選びましょう。
汎用カメラを利用できる「2D認証」
「2D認証」は平面画像から顔のデータを取り込んで認証する方式です。顔が鮮明に映るカメラであれば特別なカメラを用意する必要はありません。そのため、すでに設置してあるカメラを利用できる場合が多く、導入しやすいのが特徴です。
ただし、認証時に登録したデータと髪型やメイクが異なっていた場合に、認証できないケースがある点に注意が必要です。また、顔写真や動画でも認証できてしまう場合があり、セキュリティ面では脆弱な部分があります。
認証精度が高い「3D認証」
「3D認証」は赤外線センサーを搭載したカメラを利用し、顔を立体的に捉えて認証する方式です。認証精度は「2D認証」よりも高いのが特徴で、メイクや髪型の変化にも対応できるため「3D認証」の方がセキュリティレベルが高いといえます。
しかし、導入する際は赤外線センサー付きの専用カメラを準備しなければなりません。専用カメラは「2D認証」で利用するような一般的なカメラよりも大型なため、設置場所によっては導入できない点に注意が必要です。
顔認証をスムーズに利用するために!押さえておくべき2つのポイント
顔認証システムをストレスなくスムーズに利用するためには、顔の認証精度や個人情報の取り扱いについて事前に知っておく必要があります。利用環境に適していない製品を導入してしまうと、うまく認証できなかったり、プライバシー侵害などのトラブルが起きたりするケースもあるため注意しなければなりません。
ここではそれぞれのポイントを詳しく解説し、どのような対策が必要かについてもご紹介します。
ポイント1.利用環境と認証精度をチェックしよう
顔認証の認証精度は製品によって異なるため、利用環境に最適な性能を備えた製品を導入する必要があります。認証精度が低い製品は、暗い場所で認証できなかったり、マスクや眼鏡の着用で認証できなくなったりするケースがある点に注意してください。
顔認証の製品を選ぶ前に、利用環境の明るさやマスクを着用するケースがあるかなどを確認しましょう。そのうえで製品の性能をチェックし、利用シーンに対応できるものを探すと最適な製品を見つけやすくなります。
ポイント2.個人情報の流失に気をつけよう
顔のデータは個人情報のため、プライバシーへの配慮やデータの保管に注意を払いつつ運営しなければなりません。例えば、クラウド方式の顔認証システムの場合は、インターネット上に個人情報が流失してしまう可能性があるため、データを守るためのセキュリティ対策が重要です。
万が一、顔のデータがインターネット上に流出したり部外者に利用されたりすると、法的なトラブルに発展してしまう可能性があります。そのため、顔のデータを認証以外で利用しない点を周知しておくのも大切です。
顔認証の4つの利用例
ここでは、身近な顔認証の利用例を4つご紹介します。顔認証は認証精度やセキュリティレベルが高いため、オフィスや店舗、病院などのさまざまなシーンで利用されているのが特徴です。
また、顔認証はセキュリティ対策としてだけでなく、利便性の向上や業務効率化の手段としても利用されています。
利用例1.入退室管理や勤怠管理
オフィスや施設では、セキュリティ対策として入退室管理や勤怠管理システムなどの導入が進んでおり、本人確認に顔認証が利用されています。社員証や会員証と顔認証システムを組み合わせると、入退室の記録を利用して人物の出入りを把握できる仕組みです。
顔認証は他人によるなりすましなどの不正がほぼ起こらず、労働時間や入場時間などの正確な把握ができます。そのため、入退室者や勤怠記録の管理者の業務効率化にもつながっています。
利用例2.手ぶら決済
顔認証による本人確認は、店舗や施設での決済に利用されています。現在ではスマートフォンでの決済が主流になりつつありますが、非接触で衛生的な認証ができる顔認証決済も増えています。
顔認証を利用するとカメラに顔をかざすだけで決済ができるため、手ぶらで買い物ができるのが特徴です。そのため、スマートフォンや財布などの貴重品を持ち歩かずに済みます。
利用例3.マイナンバーカードの本人確認
マイナンバーカードの本人確認には、高いセキュリティレベルで認証ができる顔認証が取り入れられています。顔認証は正確な本人確認が可能なため、政府主導の取り組みにも利用されているのです。
例えば、2023年4月からすべての医療機関や薬局で、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようになりました。オンラインで患者の保険資格を確認する際に、マイナンバーカードと顔認証による本人確認が利用されています。
利用例4.空港の搭乗手続き
空港では搭乗手続きの際に顔認証が利用されています。事前に手続きを行い顔のデータを登録しておくと、搭乗券やパスポートを提示しなくても、スムーズに保安検査や搭乗口での手続きが可能です。
また、国内線だけでなく出入国手続きでも顔認証を利用できます。顔認証を利用すると、時間がかかりがちな出国審査もスピーディーに完了するのがメリットです。
顔認証の仕組みと注意点を理解して利用シーンにあった製品選びを!
顔認証は認証精度やセキュリティレベルが高く、スピーディーに認証ができるシステムです。安心して運用でき、利用者も使いやすいのがメリットといえます。顔認証の強みを活かしてスムーズな運用ができるよう、特徴を理解したうえで導入しましょう。
顔認証を導入する際は、製品によって認証精度が異なる点や個人情報への配慮が必要な点に注意しなければなりません。注意点も把握し、利用環境に合った製品を選びましょう。
アートが手掛けるセキュリティブランド「ZENESQUE(ゼネスク)」では、業界トップクラスの認証精度を誇るAI顔認証システム「ゼネスキャンパーソン」をご用意しておりますので、ぜひご確認ください。
Q&A
Q:顔認証の特徴はなんですか?
A:顔認証は認証精度が高く、他人によるなりすましを防げるシステムです。また、認証にかかる時間が短いため、ストレスなくスムーズに利用できる点も特徴です。
Q:顔認証の利用で気をつけるポイントはありますか?
A:顔認証は認証率が高いため、正確な本人確認ができるシステムですが、製品によって認証精度は異なります。また、顔のデータは個人情報のため、データの漏洩などに気をつけて運用する必要があります。