入退室管理システムで工事が必要なケース・不要なケースを解説
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入退室管理システム
- 2022.11.25
CONTENTS この記事でわかること
入退室管理システムを選ぶ際に、工事の有無やどんな工事が必要なのかがわからず導入に迷うことはありませんか? 工事の有無は製品や認証方法などによって異なります。また、設置場所によって工事ができない場合や、大掛かりな工事が必要になる場合があるため、事前に工事についての確認が必要です。
そこで本記事では、入退室管理システムの導入時にどのような工事が必要かについて解説します。設置場所や認証方法ごとの工事内容などを参考に、製品を選んでみましょう。
入退室管理システムには工事が必要?
入退室管理システム導入時の工事の有無は、認証方法や製品によって異なります。また、システムを設置する建物や、扉の形状などに左右される場合もあります。そのため、「工事の有無」と「工事可能な場所かどうか」について確認してから、製品を選びましょう。
工事が必要なケースでは、制御装置やリーダーの設置工事の他に、扉の一般錠を電気錠へ交換するための工事を行います。一般錠を取り外し、新しく電気錠を設置するため、工事内容によっては扉の外観が変わるケースもあります。一方で、制御装置やリーダーを扉の鍵部分に貼り付けるタイプの製品は、工事不要で利用可能です。
入退室管理システムの工事内容と取り付け設備
入退室管理システムの工事には、「設置工事」と「配線工事」があります。設置する設備の種類は以下のようなものです。
- 電気錠
- 制御装置
- 認証するためのリーダー
- 管理用パソコン
それぞれの設備の役割を見ていきましょう。
電気錠
電気錠は、内部のモーターなどを電圧で動かし、解錠と施錠を行う設備です。電気で動作するため、停電時には動かない場合があり、水濡れに弱いなどの特徴があります。
また、電気錠の耐用年数は約7年です。取り替え時期には、電気錠を交換する必要があります。使用頻度が高い場所の電気錠は、耐用年数に達する前に劣化してしまう可能性もあるでしょう。環境の変化によって電気錠の劣化の度合いが異なるため、定期的なメンテナンスが必要です。
制御装置(コントローラー)
制御装置(コントローラー)は、認証リーダーなどが取得した情報とデータを照合し、電気錠やセキュリティゲートの解錠と施錠を制御する装置です。入退室時に行われた操作の履歴を記憶できます。
また、制御装置は1つで複数の扉の管理が可能です。管理できる扉の数は製品によって異なります。そのため、入退室管理システムを導入する場所に応じて、制御装置の設置数も変化します。
認証リーダー
認証リーダーは、扉を解錠するための“鍵”を認証する装置です。“鍵”として認証に使用するものには、以下の4つがあります。
- テンキー
- ICカード
- スマートフォン
- 生体認証(バイオトリメクス)
認証方法ごとに専用のリーダーを設置する必要があります。製品によっては、1つのリーダーで複数の認証方法を利用できる製品もあり、使用シーンに応じて選択可能です。
また、認証リーダーの価格は認証方法によって差があります。例えば、テンキーは比較的安価で導入できますが、高いセキュリティ効果がある生体認証は価格が高い点が特徴です。さらに、認証リーダーを取り付ける際の工事の有無も製品によって異なります。
管理用パソコン
管理用パソコンは、入退室管理システムを管理するためのソフトウェアをインストールしたパソコンです。ソフトウェアには、入退室管理業務に必要な機能が備わっているため、パソコン1つで入退室管理が可能です。
例えば、管理用パソコンでは、認証用カードの登録、扉の管理、報告書作成などの入退室管理業務が行えます。細分化されている作業をパソコン上で行えるため、入退室管理業務の負担を軽減できます。
配線工事
配線工事は、制御装置と電気錠や認証リーダー、管理パソコンを電気的に接続するための工事です。電気錠の取り付けに工事が必要な場合は、同時に配線工事を行う必要があります。
また、配線工事は電気錠などを設置する場所によって工期が変化します。例えば、建物内の複数の階に電気錠を設置する場合は、大掛かりな配線工事が必要です。大掛かりな工事になりそうな場合は、工期もチェックしましょう。
設置工事
設置工事では、制御する扉に合わせて、制御装置、認証リーダー、電気錠、管理パソコンを設置するための工事を行います。
例えば、扉に付いている一般錠を取り外し、電気錠を取り付ける工事では、一般錠と電気錠のサイズが異なる場合は、扉に合わせて調整しつつ設置工事を行います。扉に穴を開けたり、目隠しプレートで施工部分を加工したりするケースもあります。
また、設置工事は扉付近の工事だけではありません。管理用パソコンへのソフトウェアのインストールなども含まれています。
入退室管理システムはどんな扉でも取り付け工事ができる?
建物によって扉の構造は異なります。そのため、入退室管理システムを導入する際は、「製品が扉に対応しているかどうか」をチェックしましょう。例えば、引き戸と開き戸では利用できる電気錠が異なるため、確認が必要です。
また、賃貸物件の扉に施工する場合には、注意すべきポイントがあります。建物や扉の状況に応じた製品選びをするために、注意点を確認しておきましょう。
引き戸にも電気錠や電磁錠を取り付けできる
入退室管理システムを導入したい場所が引き戸の場合でも、引き戸専用の電気錠や電磁錠を設置できます。電磁錠(電磁式電気錠)は、磁力の力で施錠するタイプの電気錠です。
しかし、引き戸に電気錠などを取り付ける際は、扉の外見が変わってしまう可能性があるため注意しましょう。工事によっては、扉への面付けや穴あけを行うためです。面付けでは、扉の面に箱型の電気錠を取り付けるため、扉のデザインが損なわれてしまう場合があります。
賃貸物件の場合は原状回復が可能かをチェック
賃貸物件で入退室管理システムを導入する場合は、建物の管理人などに工事の可否を確認する必要があります。工事によっては、扉に穴を開けるケースがあるため、物件の規定や契約によっては工事ができない可能性も考えられます。
また、賃貸物件で工事をした場合には、移転時などに原状回復費や修理費がかかるケースがあるため注意が必要です。コストを抑えたい方は、扉に装置を貼り付ける工事不要タイプのシステムを導入しましょう。装置を貼り付けるタイプの製品は、扉を傷つける心配がなく、簡単に原状回復もできます。
入退室管理システムの認証方法ごとの工事について
入退室管理システムを選ぶ際、製品選びのポイントとなるのが認証方法です。導入コスト、工事の有無などが異なります。入退室管理システムで使用されている認証方法は以下の4つです。
- テンキー
- ICカード
- スマートフォン
- 生体認証
ここでは、それぞれの認証方法の特徴と工事の有無、工事内容について解説します。
暗証番号で解錠するテンキーシステム
テンキーシステムは、決められた暗証番号を入力して解錠するシステムです。暗証番号は漏洩してしまうリスクを伴いますが、定期的に番号を変更すればセキュリティ対策が可能です。ほかの認証方法よりも安価で設置できます。
テンキーシステムを導入する際は、テンキー、制御装置、電気錠の設置工事と配線工事が必要です。また、テンキー用のリーダーには、液晶ディスプレイや押しボタン式などの種類があります。
ICカードで解錠するカードシステム
カードシステムでは、ICチップが内蔵されたカードをかざして解錠や施錠を行います。入退室の履歴を残せるタイプ、残せないタイプの製品があります。
カードシステムを導入する際は、カードリーダー、制御装置、電気錠、管理パソコンの設置工事と配線工事が必要です。
スマートフォンやICカードで解錠するスマートロック
スマートロックは、専用アプリがインストールされたスマートフォン、ICカードを使って解錠や施錠ができるシステムです。スマートフォンがない場合でも、ICカードと併用して利用できるのが特徴です。
また、スマートロックは、工事が必要な製品と不要な製品に分かれています。工事が必要な製品は、認証リーダー、電気錠の設置工事と配線工事が必要です。
工事が不要の製品には、認証リーダーと制御装置を両面テープで貼り付けるタイプがあります。貼り付けする製品は、扉を傷つけず利用でき原状回復が可能なため、賃貸物件でも導入しやすいタイプです。
指紋や顔で解錠する生体認証(バイオメトリクス)
生体認証は、解錠時に体の一部を使って認証するシステムです。生体認証に利用できるのは、以下のような部位です。
- 指紋
- 指静脈
- 手のひら静脈
- 手の甲静脈
- 顔
生体認証は、本人のみが認証できる方式のため、高いセキュリティ効果が見込めます。また、生体認証の導入コストはほかの認証方法よりも高い点が特徴です。
生体認証を導入する際は、生体認証用リーダー、制御装置、電気錠、管理用パソコンの設置工事と配線工事が必要です。
アートの入退室管理システム「X-LINE」の特徴
アートの入退室管理システム「X-LINE」は、セキュリティ機能や認証方法を組み合わせて利用でき、カスタマイズ性に優れた製品です。 ここでは、豊富な機能を搭載し、多様なニーズを叶える「X-LINE」の特徴をご紹介します。
高いカスタマイズ性と豊富な認証リーダー
「X-LINE」は2名同時認証やマルチ認証、共連れ防止など、セキュリティ強化のための機能が豊富です。また、アクセスレベル設定やタイムスケジュール設定などを標準搭載しており、使用シーンに合わせてさまざまなカスタマイズができます。
認証リーダーの種類も豊富で、交通系ICカードや車両ナンバー認証、生体認証などの新しい認証方法を取り入れています。
また、「X-LINE」は認証方式や、セキュリティ機能のカスタマイズによって工事が必要です。工事について不安を感じる場合は、問い合わせによって工事の詳細を確認できます。
入退室管理システム導入時には工事の有無や設置場所を確認しよう
入退室管理システムを導入する際は、使用したい認証方法や製品ごとに、工事の有無を確認しましょう。引き戸や開き戸のように、扉の種類で工事の有無が異なる可能性があります。
また、賃貸物件で大掛かりな工事ができない場合は、装置を貼り付けるタイプの製品を選ぶなど、原状回復が可能な設置方法を選択すると安心です。入退室管理システムを導入したい場所に合わせて、設置しやすいシステムを選びましょう。
Q&A
Q:できるだけ扉を傷つけたくない場合は、どのような製品を選べばよいでしょうか?
A:扉に装置を貼り付けるタイプは、原状回復費が必要なく、工事不要で利用できます。
Q:入退室管理システムは引き戸にも設置できますか?
A:引き戸専用の電気錠や電磁錠があるため、引き戸でも入退室管理システムの導入が可能です。
アートの入退室管理システム「X-LINE」
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ポイント1
ICカード・テンキー・生体認証などさまざまな認証方式が利用可能
ポイント2
異なる認証方式を組み合わせたマルチ認証も可能
ポイント3
決められたルートのみ入室可能などの動線管理が可能