指紋認証
指紋認証とは
指紋認証とは、手の指紋の模様を判別して個人を特定する認証方法です。指紋は人によって大きく異なり、一生変わらないため別人の指紋で間違って認証されることはほぼありません。
指紋の縞模様は「隆線」と呼ばれ、切れている箇所と分岐している箇所があります。切れている箇所を「端点」、分岐しているポイントを「分岐点」と呼び、この端点・分岐点の位置や方向が一致してるかどうかを判断する仕組みです。
指紋の読み取り方にはいくつかの方式があります。代表的な方式は以下の3つです。
- 静電容量方式
- 光学方式
- 超音波方式
静電容量方式は、電極が埋め込まれたセンサーで指紋の凹凸を読み取る方式です。指は電気を通す性質があり、電荷が多く貯まる凸部とあまり電荷が貯まらない凹部の電位を読み取って、そこから作成した指紋の画像を認証します。
光学方式は、指紋に充てた光の反射具合をもとに指を2次元画像として認識する方式です。超音波方式は、指に超音波を当てて跳ね返りの強度で指紋を検出します。
それぞれの方式で認識精度やコストが異なるため、導入する場所と用途に適したものを選びましょう。
指紋認証の導入例
指紋認証は、さまざまな場所やシーンで活用されています。
オフィスの入退室管理システム
指紋認証は、多くのオフィスの入退室管理システムで導入されている認証方法です。鍵やIDカードを持ち歩く必要がないため強固なセキュリティが担保されます。複製されたり無断で使用されたりする恐れがなく、なりすましを防止できます。
簡単な工事で取り付け可能で、施設の防犯対策に有効です。鍵の管理やIDカード発行の手間を削減できる点もメリットです。
病院
紙カルテから電子カルテへの移行を進める病院が増えています。その際、セキュリティ強化と個人情報を確実に保護するために、指紋認証は有効です。IDとパスワードを入力する必要がなく、セキュリティも強化できます。
スマートフォン
Android のスマートフォンには、指紋認証に対応している機種が多くあります。センサーに指で触れて、画面ロックやアプリのロックの解除を行います。パスワードによる認証よりも、第三者にロック解除されるリスクを軽減できる点がメリットです。
USBメモリ
パソコン上のデータの移動や保存に利用されるUSBメモリのセキュリティ対策として、指紋認証は有効です。
USBメモリは簡単に持ち運べて便利な反面、紛失や盗難による情報漏えいのリスクがあります。このようなリスクを軽減させる対策として、USBメモリを暗号化する方法があります。暗号化したUSBメモリの認証方式として、指紋認証が導入されているのです。登録者のみが暗号化を解除できるためセキュリティ強度が高いのが特徴です。
金庫
指紋認証式の金庫も増えています。使用者の指紋を照合して扉を開閉します。鍵や暗証番号が不要で、指紋登録した人しか開けられないのが特徴です。
補足
指紋認証のデメリットとしては、手荒れ・乾燥や指先の怪我によって認証できない場合がある点です。指紋センサーが汗・手の脂・ほこりなどで汚れているために、正しく認証されないケースも考えられます。
また、鍵やパスワードのように盗難・紛失のリスクはありませんが、指をタッチした画面から指紋が写し取られる可能性は否定できません。眠っている間に勝手に指を使われて、ロックを解除されるという事例も発生しているので、注意が必要です。
指紋認証に関連する用語一覧
入退室管理システム
生体認証
顔認証
静脈認証
虹彩認証
声紋認証
耳介認証
DNA認証
行動認証