ハンドフットクロスモニター
ハンドフットクロスモニターとは
ハンドフットクロスモニターとは、手(hand)・足(foot)・衣服(cloth)の表面汚染を測定するために、汚染検査室などに常設する表面汚染検査機のことです。一般的に、汚染検査室の出口に設置され、管理区域から退出する作業者の身体・衣服の表面汚染密度を検査します。
両手・両足についてそれぞれの検査部があり、両手足の汚染を同時に測定可能です。また、衣服用の検出器が備えられており、指示部の一部が衣服の汚染度を示すようになっているものもあります。
検出部の種類によってα・β・γ線用があり、GM計数管を用いたβ・γ線用モニターが一般的です。放射線検出のあとはほかのモニター類とほとんど変わりなく、表示・警報を必要に応じて出すようになっています。
表示方法としては、特にほかのモニターと比較して見やすいよう、手足それぞれについてのメーターが付いているのが一般的です。
ハンドフットクロスモニターの導入例
ハンドフットクロスモニターは、次のような場所に導入されています。
大学
大学の研究施設などで放射線を扱う場合、被ばくのリスクを抑えるための対策としてハンドフットクロスモニターを導入しています。
管理区域から出る際に、ハンドフットクロスモニターを使って両手足・着衣の汚染を測定します。その際、測定用の機器を速く動かし過ぎると、正確な測定ができないため注意が必要です。
医療研究センター
医療研究センターで放射線を扱う場合も、ハンドフットクロスモニターを導入し汚染の測定を行います。γ・X・β線は外部から作用し、人間の臓器に障害を与えます。そのため、管理区域から退出する際は入念な手洗いとともに、汚染の測定が不可欠です。
補足
ハンドフットクロスモニターを使用する際は、まず両手・両足の汚染を測定します。結果によっては警報が鳴るため、除染するか放射線安全管理担当者への連絡が必要です。問題がなければ、衣服用の測定器で衣服の汚染検査を行います。特に袖口が汚染されやすいため、重点的に検査します。
また、ハンドフットクロスモニターのような放射線測定器は、定期的に校正が必要です。校正とは測定器の精度を確認し、測定器が正しく動作しているかを調べることです。正確な測定を行ううえで必要不可欠な作業で、法令でも実施方法・周期などが指定されています。
ハンドフットクロスモニターは、標準線源を所有している場合、それを使用して1年に1回の定期的な校正を行えば十分とされています。なお、標準線源はトレーサビリティが保証されているのが望ましい、ともされています。