入退室管理システムの共連れ防止策を紹介!認証方法についても解説
-
入退室管理システム
- 2023.11.17
CONTENTS この記事でわかること
「共連れを防止する方法を知りたい」
「自社に適しているのはどんな入室管理システムなのだろうか?」
このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、共連れ防止策をそれぞれのメリット・デメリットとともにご紹介します。
また、共連れ防止以外の入退室管理システムを導入するメリットについても解説します。入退室管理システム選びに迷っている方は最後までご覧ください。
共連れとはどういう意味?
共連れとは、入退室する際に1回の認証で2人以上が入退出することです。
入室権限を持つ人が意図的に手引きする場合と、無関係な第三者が近くに待機して勝手に行う場合があります。
進入制限区域に入室権限を持たない人が、権限を持つ別の人物と一緒に入り込んでしまうため、機密情報の持ち出しなどのリスクが生じます。
共連れの防止策4つ
従来は、共連れの防止策としてオフィスの入口やゲートに守衛や警備員を配置し、目視でチェックを行っていました。しかしながら、人手不足や経費の問題、また、人間がチェックを行うため確認漏れなどが発生していました。
そこで昨今では、さまざまな認証技術を使って人の出入りを管理する入退室管理システムを導入する企業や施設が増加しています。
ここでは、主な共連れの防止策を4つ紹介し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
セキュリティゲート
セキュリティゲートとは、セキュリティが必要なエリアの出入り口にゲートを設置し、一度の認証で1人しか通過できないようにする方法です。
主な方式として、以下の2種類が挙げられます。
- フラッパー式
- アーム式
それぞれの特徴を説明します。
フラッパー式は、フラップと呼ばれる板が開くと入室できるゲートです。入室者を認証するとフラップが自動で開き、通過すると閉まります。アーム式は、1人ずつ回転式のアームを手動で動かして入室する方式です。
このようにセキュリティゲートは、1人ずつ確実にチェックできる点がメリットです。設置すると自動で認証ができるため、警備スタッフの人件費を抑えられます。
デメリットは、導入にあたって設置場所の確保と設置費用がかかる点です。また、電気を利用して動くため、停電した場合には認証ができなくなり、部外者の入室を防げない恐れがあります。
一般的なセキュリティゲートはICカードで認証するため、カードを所有する本人以外がICカードを使用した場合も、ゲートを通過できてしまいます。
アンチパスバック
入室時の認証記録がない場合は退室を許可しない仕組みをアンチパスバックといいます。
仮に、認証者の後に続いて、認証記録がない人物が入ったとします。後者は認証を受けておらず、入室した記録が残っていません。この場合に不正な侵入者として扱い、退室を禁止します。先に入室した認証者が、何らかの方法で外の部外者にICカードを渡したとしても、認証記録と矛盾が生じるので入室できません。
メリットは、低コストで共連れ対策ができる点です。最近の入退室管理システムは、アンチパスバックが搭載されているのが一般的です。そのため、認証リーダー以外の機器を必要としません。
デメリットは、認証者の後に続くように一緒にドアやゲートから入室して、同じやり方で退室すれば共連れが可能な点です。また、退室は防げるものの入室を許してしまいかねないので、場所によっては重大なトラブルに発展する可能性が捨てきれません。
監視カメラ
エントランスに監視カメラを設置し、リモートでモニタリングを行って共連れの証拠映像を保存する方法もあります。映像を画像解析することで通過者の人数をカウントし、共連れ入室があった場合にアラームなどで警告の発報も可能です。
最近は、来訪者の顔を検出し、登録した顔データと認証する顔認証システムを搭載したカメラも増えています。
監視カメラのメリットは、トラブルが発生した際に録画したデータを証拠として使える点です。また、カメラが備わっている事実をアピールすることで、部外者や不審者に対する犯罪や不正の抑止力になります。比較的低コストで導入しやすいのもメリットといえるでしょう。
デメリットは、プライバシーの侵害になるおそれがあり、録画データの取り扱いには十分な注意が必要な点です。また、インターネットを使ったカメラの場合、不正アクセスやマルウェア感染・改ざんなどのリスクがあります。さらに、朝夕の混雑時など通過する人数が多い場合、目視や画像解析では正しく認証ができないことがあります。
インターロックゲート
1人ずつしか入退室を行えない構造の二重扉をインターロックゲートといいます。片方の扉が開いていると、もう片方の扉は開かないよう制御されています。そのため、確実に1人ずつしか通れないシステムです。
立ち位置や重量などを検知する複数のセンサーにより、2人以上が同時に入り込むと1つ目の入った方のドアが閉まりません。つまり、2つ目のドアが開かないようになります。
インターロックゲートのメリットは、1人ずつしか入退室を行えないので、入室権限のある人と一緒に別の人物が侵入する「共連れ」を防げる点です。また、誰かが退室するタイミングで入室権限のない人物が侵入する「すれ違い」も防止できます。
デメリットは、設備や設置スペースが必要で、コストに課題がある点です。
共連れ防止のための入退室管理システムの認証方法
共連れを防ぐためには、「いつ」「だれが」「どこに」入退室したのかを管理する入退室管理システムを使用するのが効果的です。
その際に使用される主な認証方法は以下の4種類です。
- 暗証番号
- ICカード
- 生体認証
- スマートフォン
それぞれの特徴と、導入にあたっての注意点を解説します。
暗証番号
ドアに取り付けられた機器に、暗証番号を入力することで扉を開錠する認証方法は古くから多くの場所で利用されています。専用機器を設置するだけなので、低コストで導入が可能です。
ただし、暗証番号が知られてしまうと部外者でも簡単に入室できてしまうので、番号が漏れないような対策を講じなければなりません。
また、暗証番号だけでは不正な入退室が行われた事実や人物の特定が難しいので、監視カメラなどと組み合わせて使用し、セキュリティ強度を高める必要があります。
ICカード
ICチップが入った社員証を認証装置にかざす方法も、メジャーな認証方法です。カードに埋め込まれたICチップで個人を認証します。最近は、交通系ICカードによる認証システムも増えています。
使用するのはカードだけなので、入退室が非常にスムーズです。しかしながら、ICカードによる認証は、盗難や偽造によって不正入室されるリスクをはらんでいます。
また、ICカードの貸し借り等による、なりすましの危険性もあります。加えて、ドアが開いたタイミングで入場権限がない人物が入室できるため、共連れを防げない点に注意しなければなりません。
スマートフォン
スマートフォンを入退室の鍵として利用する方式も最近は増えています。ICカードを一人ひとりに配布するコストと手間を削減できる点がメリットです。
専用のアプリを各自のスマートフォンにインストールするだけで、利便性が高いのが特徴です。アプリをアップデートすることによって、機能の追加も可能です。また、他システムと連携して、在宅勤務の出退勤管理や現在位置の確認などへの活用もできます。
ただし、スマートフォンによる認証システムはまだあまり多くなく、導入できるシステムが限られています。電池切れや故障などで入退室できないケースがある点にも注意が必要です。
生体認証
指で認証する「指紋認証」や、顔で認証する「顔認証」などの方法もあります。登録者本人以外は認証されず入退室ができません。他の認証方式に比べて、セキュリティレベルが非常に高いのが特徴です。
生体情報は一人ひとり異なるので、なりすましを防止できます。電池切れや紛失などによる入退室のトラブルも起こりません。
ただし、指紋や顔などを個々に登録する必要があるため導入に時間がかかります。また、認証精度に個人差が出る場合がある点にも注意が必要です。
共連れ防止以外の入退室管理システムのメリット
多くの企業や施設が入退室管理システムを導入する最大の目的は、部外者の侵入防止であり、共連れを防ぐことです。
それ以外にメリットとして挙げられるのは、主に以下の2点です。
- セキュリティ対策のコストを削減できる
- 勤怠管理を効率化できる
それぞれについて詳しくみていきましょう。
セキュリティ対策のコストを削減できる
セキュリティ対策として、守衛や警備員を配置する企業や施設が数多く見受けられます。しかし、入退室管理システムを導入することで基本的に人員を配置する必要がなくなります。
すなわち、コスト削減につながるのです。
また、人がチェックを行うことによる見落とし等のリスクを軽減できます。ただし、個々に入室権限を付与しても、同時に複数人で入室してしまう共連れが起こりうる点には注意が必要です。セキュリティをより強固なものにするのであれば、監視カメラの同時設置が望ましいでしょう。
勤怠管理を効率化できる
入退室管理システムを導入すると、「いつ」「だれが」「どこに」入退室したのかが記録されます。つまり、従業員がオフィスに滞在した時間を把握可能です。
さらに、勤怠管理システムと連動することで、従業員の勤務時間や休日出勤の有無を確認して管理できます。残留者表示機能を活用すれば、残業時間をリアルタイムで把握できるので、過度な残業の抑止にもつながるでしょう。
自社に適した入退室管理システムで共連れを防ごう
退室管理システムを導入する最大の目的は部外者の侵入防止であり、共連れを防ぐことです。
共連れ防止策として「セキュリティゲート」「アンチパスバック」「監視カメラ」「インターロックゲート」などがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
共連れ防止以外の導入メリットは、セキュリティ対策のコストを削減でき、勤怠管理を効率化できる点です。自社の規模や求めるセキュリティレベル、コストを考慮して自社に適した入室管理システムを選びましょう。
アートでは、ICカードや生体認証など多彩なリーダー対応の入退室管理システム「X-LINE」をご用意しております。セキュリティ機能も充実しているので、ぜひご確認ください。
Q&A
Q:共連れとは何ですか?どんなリスクがありますか?
A:共連れとは、入退室する際に1回の認証で、2人以上が入退出することです。進入制限区域に入室権限を持たない者が、権限を持つ別の人物と一緒に入り込んでしまうため、機密情報の持ち出しなどのリスクが生じます。誰かが退室するのを待ち、そのタイミングで入室する「すれ違い」や、ICカードの貸し借り等による「なりすまし」も同様のリスクがあります。
Q:共連れなどの不正侵入を防ぐにはどうすればよいですか?
A:目視によってチェックする方法もありますが、近年は入退室管理システムを導入する企業が増えています。さまざまな認証技術を使って、「いつ」「だれが」「どこに」入退室したのかを管理して、共連れなどの不正侵入を防ぐ対策を講じています。
アートの入退室管理システム「X-LINE」
-
ポイント1
異なる認証方式を組み合わせたマルチ認証
ポイント2
FeliCa・MIFAREⓇに対応したリーダー
ポイント3
共連れ検出や2名同時認証などセキュリティ機能も充実