NFCとFeliCaの違いとは?それぞれの仕組みや利用シーンを解説!
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ICカード認証
- 2023.11.7
CONTENTS この記事でわかること
NFCとFeliCaは、対応デバイスにかざすだけでデータ通信ができる仕組みで、交通系ICカードやスマートフォンを使ったキャッシュレス決済などに利用されています。どちらも使い方が似ているため、NFCとFeliCaの違いがわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、NFCとFeliCaの特徴や、間違われやすい両者の違いについて解説します。また、NFCとFeliCaは機能や利用シーンが異なるため、それぞれを利用する際の注意点についてもぜひ参考にしてください。
NFCとは?混同されやすいFeliCaの意味と仕組み
NFCとFeliCaは、どちらも非接触でデータ通信を行う規格で、同じ周波数を使い近距離で無線通信するための技術です。ICカードをデバイスに近づけるだけでキャッシュレス決済を利用できるのは、ICカードにNFCやFeliCaが組み込まれているためです。
ここでは、NFCとFeliCaの特徴について解説し、それぞれの規格の仕組みを紹介します。
世界で利用されている「NFC」
NFCは「Near Field Communication」の略称で、ICチップを使った通信技術です。近距離で行う無線通信の規格を指しており、無線通信を行うための標準的な国際規格として、日本だけでなく世界中で利用されています。
同じ規格のデバイス同士を近づけるとデータ通信ができる仕組みで、通信できる距離は10cm程度です。利用時には、ICカードやスマートフォンをデバイスにかなり近づける必要はありますが、非接触で手軽にデータ通信できる点が魅力です。
また、NFCはICカードやスマートフォンだけでなく、パソコンや家電製品などにも利用されています。デバイス同士が配線不要でデータのやり取りをできる仕組みには、無線通信規格が役立てられています。
NFC規格に含まれる「FeliCa」
FeliCaは、ソニー株式会社が開発した通信技術です。FeliCaとは「Felicity(至福)」と「Card」を組み合わせたソニー株式会社の登録商標で、非接触ICカードのために開発された規格です。
利用時はICカードなどをかざすだけで使えるため、交通ICカードや電子マネーカードなどの幅広いシーンで日常的に利用されています。FeliCaは非接触ICカードの技術方式ですが、カードのほかにもスマートフォンや腕時計・キーホルダーなどに組み込める仕様です。
また、FeliCaとNFCは混同されやすいですが、FeliCaはソニー株式会社がNFC規格に基づいて開発したもので、NFC規格の一つです。詳しくは、次に紹介する規格の種類を参考にしてください。
NFCの4つの規格と利用例
NFCには規格が4つあり、その中にFeliCaも含まれています。ここでは、NFCの4つの規格の特徴やそれぞれの規格が利用されている事例を紹介します。
1.Type A
Type Aは、オランダの半導体メーカー「NXPセミコンダクターズ」が開発した規格です。低コストで利用できるため、世界中で幅広いシーンで使われています。
日本では、テレホンカードや自動販売機でタバコを購入する場合に必要なTaspoなどに使われている規格です。NXPセミコンダクターズが開発したMIFARE(マイフェア)として普及しています。MIFAREはFeliCaと同じくICカードの規格で、国際規格として世界で普及しているタイプです。
2.Type B
Type Bは、過去に存在していたアメリカの企業「モトローラ」が開発した規格です。ICチップ内には高度な処理ができるCPUが内蔵されています。Type Aとの違いは、処理速度が速く高いセキュリティ性がある点です。セキュリティでデータが守られるため、個人情報が多く含まれるカード類に利用されています。
例えば、日本では住民基本台帳カード・運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどにType B規格が採用されています。本人確認で利用する身分証に組み込まれているため、セキュリティ面の高さがわかるのではないでしょうか。
3.Type F
Type FはFeliCaの規格です。処理速度が速く、日本では交通系ICカードや電子マネーなどに利用されています。Type AやType Bと比較すると2倍ほど処理速度が早いため、利用時の待ち時間がほぼなく、スピーディに利用できます。
なお、この規格が利用されているのは、日本と香港などのアジアの一部だけです。
4.ISO/IEC 15693
この規格は、商品を管理するICタグやICラベルとして利用されています。特徴は、ほかの規格と比較すると通信距離が長い点です。
また、家電などをインターネットに接続し、データ連携や遠隔操作できる仕組みとしても利用されています。近年では、インターネットを介して無線で操作できる家電が増えており、今後もさまざまな分野での活用が期待されている規格です。
NFCができること3選
NFCは、カード決済やスマートフォン決済に利用されているイメージが強いのではないでしょうか。そのほかにも、FeliCaにはない優れた機能があるので、3つの機能について詳しくみていきましょう。
1.ICカードとして利用できる
NFCはICカードとして普及していますが、交通系ICカードから身分証となる運転免許証まで、さまざまな形で利用されているのがポイントです。キャッシュレス決済だけでなく公共機関の利用やイベント会場への入退場、企業の入退室管理などの効率化に役立っています。
例えば、電車やバスなどの交通機関の切符・航空券・イベントチケット・社員証・会員証などです。規格の種類によって通信速度や導入コストやセキュリティ面に違いがあるため、それぞれの利用シーンに適したものが採用され幅広い用途で活用されています。
2.データの読み書きができる
NFCは双方向の通信ができるため、デバイスを通してICカードやICタグからデータの読み取りや書き込みが可能です。例えば、ICタグに情報を書き込み、クーポンやポスターなどに組み込んで、さまざまな情報を読み取れるようにするなどの活用法があります。
また、近年ではスマートフォンなどのアプリを利用して、ICタグにデータを書き込み、必要時にICタグを読み込んで素早くサービスを利用する方法も主流になりつつあります。
3.デバイスのペアリングができる
NFCは、対応するデバイス同士で通信が可能なため、デバイス同士を近づけるだけでデータの送受信ができます。また、デバイスをペアリングする際はパスワードが不要で接続でき、データを転送したい場合に便利です。
例えば、Bluetoothなどを設定する際、長いパスワードを入力しなければならず、時間がかかった経験がある方もいるのではないでしょうか。NFCに対応するデバイス同士の場合は、パスワードを入力する手間がないため簡単にデータの共有ができます。
NFCとFeliCaの違いは?
NFCとFeliCaでは、利用シーンや普及している国、通信の特徴などが異なります。それぞれの違いを詳しくみていきましょう。
日本はFeliCa!海外ではNFCが普及している
FeliCaは日本で主流の規格ですが、海外ではFeliCaに対応していない国が多いため、利用できない場合があります。アジア諸国ではFeliCaを利用できる場合が多いですが、ヨーロッパなどではFeliCaを利用できないケースがほとんどです。海外ではNFC規格が普及しています。
日本でFeliCaが普及している背景には、FeliCaの通信速度の速さが関係しています。FeliCaはNFC規格の中でも最も通信速度が速いため、混雑する交通機関での利便性が高く、交通機関の利用者が多い日本やアジアで普及するようになったのです。
通信速度は規格によって異なる
NFCの通信速度は規格によって異なり、106kbps〜847kbps程度です。kbpsは1秒間に送れるデータ量を示しています。
FeliCaの通信速度は847kbpsのため、約0.1秒でデータ通信ができる仕様です。ほかの規格の場合はデータ通信に少し時間がかかるため、利用時にFeliCaと比較するとわずかに遅く感じるでしょう。
なお、NFCはデータの読み取りや書き込みが可能で、NFC規格の一つであるFeliCaも同様にデータの読み書きができます。
NFCやFeliCaを利用する際の注意点
NFCとFeliCaは、それぞれの規格に対応したもの同士でしか通信できません。例えば、海外でFeliCaでキャッシュレス決済を利用しようとしても、FeliCaに対応するデバイスがなければサービスを利用できない点に注意しましょう。
また、NFCとFeliCaはスマートフォン決済でも利用できますが、スマートフォンの機種によって利用できる規格が異なります。AndroidはFeliCaに対応した機種が多くおサイフケータイが利用できます。一方、FeliCaに対応していないiPhoneの場合は、NFCを使ったApple Payでの決済が利用可能です。
さらに、キャッシュレス決済の設定方法もスマートフォンごとに異なるため、どの機種がどの規格に対応しているのかを理解したうえで利用しましょう。
違いを理解してNFCとFeliCaを上手に利用しよう!
NFCとFeliCaは、どちらも非接触でデータ通信ができる規格の名称です。日本で主流のFeliCaと海外で普及しているNFCでは、高速通信・セキュリティ・導入コストなどの違いがあります。
NFCとFeliCaは同じ周波数で無線通信を行いますが、機能や利用シーンが異なるため違いを理解してから利用しましょう。また、NFCやFeliCaを利用する際は、規格に対応したデバイスが必要です。必要なセキュリティレベルや用途に合ったものを利用してください。
なお、アートでは、ICカードや生体認証など多彩なリーダー対応の入退室管理システム「X-LINE」をご用意しておりますので、ぜひご確認ください。
※「FeliCa」は、ソニー株式会社の登録商標です。
※「MIFARE」は、NXP B.V.の登録商標です。
Q&A
Q:NFCとFeliCaの意味を教えてください。
A:NFCは、Near Field Communicationの略称で近距離無線通信規格を意味します。FeliCaはNFCの規格の一つで、「Felicity(至福)」と「Card」を組み合わせたソニー株式会社の登録商標です。どちらも対応デバイスにかざすだけでデータ通信や認証ができます。
Q:NFCとFeliCaの違いはなんですか?
A:NFCは国際規格として世界で利用されています。一方、FeliCaはソニー株式会社が独自に開発した規格で、日本とアジアの一部の国でのみ利用されているNFC規格の一つです。また、FeliCaはNFC規格の中でも通信速度が速いのが特徴です。
アートの入退室管理システム「X-LINE」
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ポイント1
FeliCa・MIFAREⓇに対応したリーダー
ポイント2
ICカード・テンキー・生体認証などさまざまな認証方式を組み合わせ可能
ポイント3
共連れ検出や2名同時認証などセキュリティ機能も充実